君につける嘘はあいにく持ち合わせてない。 





「お?これ、つむぎくん?」
「そうですね。fineにいた頃のジャケット写真ですよ。」

俺の部屋で、俺のユニット写真を整理してた時見つけた。なんで俺の方にまじってるのかいまいちわからん。

「なんで、ゆらぎくんのアルバムに混ざってるんでしょう?」
「親父がうっかり混ぜたかもね。親父、今になってもつむぎくんと間違えるんだし。」

そんなににてるかね。とぼやけばつむぎくんはたまに間違えられますもんね。背格好とか。夏目くんが俺とゆらぎくんを間違えてましたよ。んー紛らわしいなら俺が切るか。と呟けば、勿体ない。と言うけども、俺の願いはそれなりに叶ってたりするので、いいんだどなぁ。なんて思う。

「切っちゃうんですか?」
「まぁねぇ。ちっちゃい頃からある程度の長さは必要だったから伸ばしてたけどもう必要ないし」

いっそ鳴上みたいに刈り上げちまうか。そういうとつむぎくんが驚いて固まった。いやいや、俺だって人の子だから、そんな髪型もしたいんだけど。常にモジャモジャにしてるわけじゃないの。もうくせみたいなもんだし、抜けきらないから困ってるんだけどさ。

「卒業まで俺とお揃いする?」
「え?いいんですか?」
「卒業したら俺の好きにするからね」
「そういって、卒業してもそのままにしてたりするんでしょ。」

さぁね、でも俺は君につける嘘は、あいにく持ち合わせてないから、ちゃんとするよ?大人は約束をまもるもんだしな。なんて言ってカラカラ笑いつつもと俺はアルバム整理の手を動かす。結局どうして俺のアルバムに乱や巴が写ってるアルバム写真が混ざってるのかはよくわからなかった。





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