うち、しょーたは相澤で二人目になるんですよね。
卒業して、しばらくして。的な。

相澤。沖方。そうやって呼んでいた教師と生徒だったのが、いつのまにか経験値は違えど同じ場所に立つのだから、現実何が起きても世界が爆発しても可笑しくない。と思う。
私の家に相澤が遊びに来て小さなテーブルを間に座りながら、一つを相澤に渡して私は私用のマグで飲む。

「昔からお前は俺を相澤相澤って呼び捨てにしてたよな」
「…確かにそうだけど。なんかもう、呼び慣れててさ。」

そりゃあ他の先生がいたら、最低限つけるけどさ。なんかしっくり来ちゃってついつい。あー確かに編入学試験の時もそうだったな。なんで覚えてんの!?そりゃあ生き埋めにした奴が苦虫潰した顔で俺を掘り出すんだからなぁ。すいませんでしたっ!
打てばそれなりに響くし一方的にからかわれてたりもするけどさ。荒いのにどこかしなやかな動きかたなや憧れを覚えて、憧れがいつの間にか恋になって、愛になってた。相澤がどうおもってるかなんてわからないけれど、いつのまにかなっていた。

「佳英、相澤相澤言うのは構わないが。」

お前もいつか俺と結婚したらお前も相澤になるんだぞ。
相澤の言葉を一人噛み砕く。結婚、私も相澤。ん????類は友を、いや、相澤が相澤を呼ぶ?あるの?え、相澤って名前じゃないの?

佳英思考漏れてるぞ
えっと、あの。じゃあ、なにとお呼びしたら?かれぴっぴ?旦那はん?ご主人、亭主?ダーリン?あなた?…え…っとどれがいいですか?。
名前の存在をすっかり忘れるな。知ってるだろ

なんか、現実から斜め上の単語が聞こえてきて、訳わかんなくなるよね。消太…消太…なにか聞き覚えが…あ。そうじゃん。と思い出して、相澤あのね!と挙手して発言する。

うち、しょーたは相澤で二人目になるんですよね。
ちなみに、父親。なんですけど。しょーたは二人も…ネェ。

なんて言うとほっぺた潰されてめちゃくちゃ説教された。お前のなかで、お前の父親と俺は愛情度数一緒なのかと。

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