act.5

断末魔は突然に


テニスを始めたのはいいんだけど……


「なにこの筋肉痛!遅れてくるだなんて……あたしまだそんなに歳とってないのに…」泣
「おはよう、律」
「ぎゃああああ!!」


わざと?!これわざとだよね!
ひょっこひょっこ歩いてたら後ろから肩を叩かれた。しかも、右肩。


「筋肉痛ひどいんだから、気をつけてよね!」
「身体動かした方が早く治るよ。自然治癒能力てね」


そうかもしれないけどさ!
歩くにしても痛いんだから仕方ないじゃない。


「そうだ、幸村くん。今度の週末どっちか空いてる?」
「なにデートのお誘い?律、だ、い、た、んー!」
「殴っていい?殴っていいよね、これぇぇぇ!!」
「犯すよ」
「ごめんなさいごめんなさい。だから、その危ないオーラしまって下さいいい!」


ちょ、目が本気だったよ!
笑えない!


「で、なんで週末?」
「実は、ラケットとかテニス用品買いたくって。いつまでも部室にあるの借りるわけにはいかないし」
「確かに自分にあった物のほうが使いやすいよね。わかった、俺でよければ一緒に行こう」
「ありがと!断られたらどうしようかと思ったー」


俺が高野さんの誘いを断るわけなんてないのに。
土曜日に一緒に買いに行く約束を取り付け、教室の前で別れる。


「ふふ、楽しみだな」

















「なになに、今度はデート?やりますねー、律さん」
「そんなんじゃないってば、友恵」
「いいな、学校一の美男子のペアに目をつけられただけでも凄いのに。
しかも、テニス部とお近づきにまでなれるなんて!
羨ましいぞ、ちょっと運分けろっ!!」


友恵に揺さぶられる。
身体が悲鳴をあげてるんだけど……。ねえ、泣いていい?


「でもさ、幸村くんって人気あるし誰とでもペアなんて組めるのになんで律なんだろう」
「そこなのだよ、友恵くん。何回聞いてもはぐらかされちゃうんだよね」


雅治に聞いても、でたらめしか言わないし。
ま、あたしはやれるとこまでやるしかない。


「なぞだね」
「なぞだな」


先生、答えがわからないときはどうしたらいいですか?






110208

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