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ナティア)「……暑い…」


先ほど敷いた布団の上に座っているナティアが小さく呟いた。
今居る国は、夜にも関わらず真夏の昼間のように気温が高くー…。


ナティア)「暑い…」


蒸し暑いのだ。




カイ)「…我慢しろ」

ナティア)「無理だよ… 我慢できない… 暑い… 寝れない… 暑い… 暑い…」

カイ)「さっきから、うっせぇんだよ!! お前は、鍛え方が足りないんだ!! このくらいの暑さで泣き言を言いやがって!!」


この宿は安宿で、部屋を涼しくする冷房機器類が備え付けられていない。
窓を開けても、入ってくる風は生暖かく、全く涼しくならないのだ。
僕らでも暑いと感じているのだから、暑さに弱いナティアはかなり辛いだろう。


ナティア)「鍛えたら暑くなくなるの…?」

カイ)「そ、そーだよ!! 暑くねぇよ!! 俺はな、日々鍛えているから、このくらいの暑さに耐えられる体質になったんだ!!」


…というカイも身体中、汗だくだ。




ナティア)「……嘘つき」

カイ)「う、うっせぇ!! お前が、暑い暑い言うから、俺が我慢して暑いって言わないようにしてやってたんじゃねぇか!! みんなで暑いなんて言いまくったら、それこそ我慢できなくなるじゃねぇかよっ!!」


意外にカイは律儀だ。


カエン)「ねえ、ナティアさん 氷魔法を使ってさ、この部屋を涼しくできないかな?」

ナティア)「氷魔法か…、できるかも…」

カイ)「だったら、さっさとやれば良かっただろうがっ!! 無駄な言い合いさせやがって!! ほら、早くやれ!!」


カイに促されるまま、ナティアは魔法を使うため、詠唱を唱え始めた。


ナティア)「中級氷魔法 氷河!!」


バンッと床を両手で叩くと、魔法陣が浮かび上がり、そこから瞬く間に立派な氷の結晶が次々と出てきた。
一瞬で氷の部屋…。




ナティア)「涼しいー!!」


いや…、これはー…。


カイ)「さっ…、寒いだろ〜…」

カエン)「極寒っ…、くしゅん!!」


そうだ…。
ナティアは氷の国出身だった。


ナティア)「これで寝れるね」

カイ)「そうだな、ナティア …って言うわけねぇだろっ!! 俺たちを冬眠…いや、殺す気かぁーっ!!」







>>秋空鈴音のひとこと


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