ログ









ナティア)「そんな意地悪しないで、素直に帽子を取って見せてあげれば良いのに…」


佳薗たちが逃げて行った方向を見ながら、深いため息をついた。


ナティア)「それともー…、まだ気にしているの?」


ミケの頭部には傷がある。
学校を卒業し、ミケが銃火器特攻隊に入隊して間も無くのことだった。
訓練中の事故で、頭部に怪我を負ったのだ。
オレもカイと一緒に何度か見舞いに行った。
頭に包帯を巻きながらも気丈に振る舞うミケに、込み上げてくるものがあった。


ミケ)「あぁ、そんなことはないよ」

ナティア)「じゃあ…?」

ミケ)「あの後、ナティアちゃんとカイが退院祝いにって、この帽子をくれたでしょう? 嬉しかった」




ミケ)「でもさ、貰った後にわかったけど、とても高価な帽子だよね? 隊で働きだしたばかりなのに、こんな良いものを…」

ナティア)「ミケ…」

ミケ)「だから、これは俺にとって、お守りでもあり宝物でもあるんだ 手放すつもりは無い」




銃火器特攻隊は、遠征で危険地区に行くこともある。
また怪我を負うかも知れない…。
心配したオレとカイは、せめて頭部だけでも守れるように、防御力が高いこの帽子を買ってミケに贈った。
お金は、二人で出し合った。


ナティア)「知ってたんだ…」

ミケ)「うん 有名なブランドメーカーだからね」

ナティア)「そっか」


なんだか照れ臭くなって、笑った。


ナティア)「…カイはあの性格だから、ミケの頭部の傷なんて、もう覚えてないんだろうけど」

ミケ)「そうだねぇ」

ナティア)「たとえ、覚えていたとしても、カイは気にしなかったと思うよ? そういう奴だから」

ミケ)「ふふっ、確かに!!」


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カエン)「ミケさんの帽子の中にヘビがっ…!!」

エリ)「ヘビ…?」

カイ)「あー…、まぁな…、ははっ…」






>>秋空鈴音のひとこと


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