※現代、ちょっと卑猥












(あー……)
ことを終えたあと、全身がぐったりとして力が入らない中、暗闇に慣れた目は天井を意味もなく見つめている。声は出るけど喉の奥に何かが引っかかったように思うように出すことができず、ふっ、と吐息を吐くだけ。というか、終わった直後はどちらかといえば呼吸を整えてる、と言った方が正しいかもしれない。上にかぶさってる重みと繋がる下肢から伝う熱が愛しくもこの湿気からくる汗が煩わしくて、早くどいてくれないかな、とも思うが。
「ティーダ…?」
大丈夫か?暗闇の中でも綺麗な光を放つクラウドの声が響いて、視界に映る。
「だ…じょ…ぶ…っ」
思ったより声が出なくて、けほっ、と乾燥した喉が勝手に咳き込んだ。クラウドが、繋がっていた箇所を引き抜く。ズルリ、と、抜け落ちた瞬間に、ドロ、と別の何かが俺の中から出ていった。
無言で、クラウドがティッシュを片手に処理をしてくれる。いつもだったら一緒に起きて自分のことは自分でするけど、何か今日はやる気が起きない。外から聞こえる、雨音の所為だろうか。
「クラウドー…」
ぼそ、とクラウドの名前を小声で呼べば、どうした?と顔を覗きこんでくる。クラウドのその優しい空気が嬉しくて、ぎゅ、と抱きついてみせる。
すべすべの肌は女の子に負けないくらいきれいで、でもちゃんと骨はゴツゴツとしてて男らしい。包まれてるのが安心に繋がって、疲れ果てた俺の身体はからは更に力が抜けていく。
素っ裸のまま抱き合って、クラウドはそんな風に甘える俺の頭を撫でてくれて、俺はそれが嬉しくて、クラウドの唇にそっと口づけた。
ちゅ、と鳴るリップ音に、クラウドが暗闇の奥底でにんまりと笑いながら、今日はいちだんと甘えん坊だな、と呟いて、また俺の唇を塞いだ。
嗚呼、何だろうな。雨の所為で、兎に角身体の力が先から入らず、クラウドにされるがまま。
でも同時に何か泣きそうで、どうしようもなく甘えたくて、だから無言でただただ抱きつく。撫でてほしい、おもいきり、甘やかしてほしい。
ぬるま湯にずっと浸かって、この空気をずっと堪能していたい。


――――クラウドのそばに、ずっと居たい。


よくわからないけど、ただひたすらに、目を閉じながらそれだけを祈った。












雨のち雨
(ずっと、雨が降り続けばいい)




*Congratulations!710 day!!



2014/07/10


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