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瑞稀は夕方無事に退院し、現在4人は個室にいる。個室にもありがたいことに水槽があり、瑞稀はそこでくつろいでいた。


「よし、新しい仲間も入ったことだし!今日はご馳走だ!」

『ポケモンセンターの夕食な。お前がつくった訳じゃないだろ』

「否定はしない…

が、ケーキはポケモンセンターにない!
よって私が作ろう!」

『ライラ、けーきってなんだ!?』


今の麗音はハナタレではない。
ジョーイさんに相談したところ、風邪薬をもらって、それが効果てきめんだったのだ。

『わたしもその言葉、初めて聞きました…』


小首をかしげる瑞稀はあり得ないくらいにかわいい。水中でなければ抱きついている。←変態

「麗音も瑞稀も野生だったからケーキを知らないのか!
ケーキはね……あ、やっぱりできてからのお楽しみにする!」

『えー…?』

『楽しみですね』

「瑞稀は素直でイイ子だねぇ〜」

よしよしと頭を撫でてやると、瑞稀はくすぐったそうにはにかんでいる。

ああこんな純情な子もいたのだね…
世の中そう捨てたもんじゃない!

『…クスッ』

『まる聞こえだが?』

『純情じゃなくて悪かったね…』

「………スンマセン自重します」

『クスクス』

『謝って済むならジュンサーさんは失業だ』

「私にどうしろと!!!?」

『クスクス』

さっきから瑞稀は3人のやり取りをみてしきりに笑っている。彼女曰く、自分が会話に参加するより、こっちの方が楽しいらしい。

まだ会話に積極的に参加することは滅多になく、こちらのほうが彼女としては気が楽なのだろう。

少しずつ、慣れていけばいいはなしであって、なんら問題はないのだけれど。



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