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疲れたと言って榮輝は勝手にボールへと戻っていってしまった。
勝手だなあと思いつつ、バトルの労をねぎらわないわけにはいかない。ずっと彼だけに戦わせていたのだから。ライラはそっと腰のボールをなでてから、カイトと別れて足早にコトキタウンに向かう。隣町であるここまではそう離れていなくて、あまり肉体的には疲れることなくたどり着くことができた。肉体的には。大切なことなので二度言っておく。
PCで榮輝を預け、トレーナーカードをジョーイさんに見せ、部屋を予約した。
ジョーイさんきれい!っていうか無料ってすごい……とかなんとか感動しつつロビーのソファーに腰かけていると。遠くから何かが耳に入ってきて、はたとライラの足が止まる。
うたが、きこえた。
綺麗で明るくて、初めて聞く不思議な旋律だった。
「……ません、すみません。あなたのポケモンの回復、終わりましたよ。」
「…!あ、す、すみません。ありがとうございます。」
あまりにも歌に集中しすぎて、周りがよく見えなくなっていた。
榮輝はボールでぐっすり眠っていた。
「あの、ジョーイさん、いま外で歌っているのはどなたですか?」
「……え?歌…?」
「聞こえませんか?綺麗なうたが、外の木の側から。」
「あら、それは人間じゃなくて、ポケモンよ。」
「え、でも………」
いいかけたところで、不意にボールから榮輝が出てきて、
私を 無 理 矢 理 抱えてポケモンセンターから 引 き ず り 出 し た 。
降〜ろ〜せ〜!!
『少し黙れそして痩せろ』「余計なお世話!」
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