04

その日から俺と雪乃さんの秘密の同棲生活が始まった。


「岩ちゃん、今日現場遠いから遅くなる。飯食って先に寝てていいから。」


朝早く隆二さんが俺の部屋にきてそう言った。
隆二さんは圧接工で鉄筋をくっつける特殊な職業で、日本全国色んな現場に借り出されている。雪乃さんはレストランのウエイトレスをしていて、そこに隆二さんがよく通うようになって二人は恋に落ちた。俺は、会社をクビになって、隆二さんの知り合いのアパレルでバイトを始めた。店長の臣さんと隆二さんは学生の時からのダチらしく、イケメン店長でアパレル業界ではある意味有名な人だったりもする。


「どこまで行くんすか?」

「今日は横須賀。雪乃のこと頼むな?」

「了解っす。いってらっしゃい。」

「いってきます。」


ガチャンと隆二さんが外からカギをかけたのを確認して俺はそのまま雪乃の寝室へ行く。二人の寝室はシンプルででけぇキングサイズのベッドが壁際に置いてある殺風景な部屋だ。


「二人っきり〜。」


そう言いながらまだ眠ったままの雪乃の隣に身体を寄せる。ん〜って寝返りを打ってほんのり目を開けた雪乃が「えっ!?」隣にいる俺を見て吃驚する。キョロキョロと目を泳がせて小さく溜息。


「大丈夫、隆二さん今出てったよ。今日は横須賀で帰り遅いって。雪乃何時に仕事終わる?」

「吃驚した。私間違えてタカノリの部屋入っちゃったかと思ったよぅ。」

「へへ、ごめぇん。早くこうしたかったんだもん。」


そう言いながらも雪乃の薄いピンク色の唇をペロリと舐めてそのまま舌を入れ込んだ。雪乃の手が俺の背中に回るのを確認して着ていたTシャツをめくり上げる。そのままピンとした突起を口に含んで舌で転がすと寝起きの掠れた声で雪乃が甘く鳴いた。やべぇとまんねぇ…。朝はとまんねぇ…。感情のままに仕事に行くギリギリまで二人で重なり合っていた。


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