10.試練[ミリアの男]


ルトの試練を突破したヒロインは、そのまま階段を上がり塔の二階へと足を踏み入れていた。
一階と同じく、二階も西洋のヨーロッパの様な豪華な家具が立ち並び、高価な雰囲気が漂っている。
しかし、人の姿や気配は全く感じられない。

「…油断は出来ないわ。メノウカードの順番からすると…次は…」

メノウカードが消えルトが出てきたという事は、メノウカードになった者が順番に再び現れるだろうと、ヒロインは考えていた。
ルトの次に現れたのは、傲慢高い美女、ミリアであった。

「あの女苦手…でも、ミリアが出ると決まったわけじゃないけど…」

ヒロインは油断は出来ないと、鞘にある剣を掴む。
まだ一度も使った事がない剣だが、ヒロイン自身、剣を扱える自信はない。

「きっと、シルとか倒すには剣を使わなきゃ無理だよね…でも勝てる自信全く無いわ…」

ここまで来ておいて今更だと思うが、あの圧倒的な強さを誇るシルに勝てる自信など今のヒロインには全く無い。
そんな事を考えながら探索していると、最後に開けた部屋は何もなく広い部屋で、その奥には上へと続く階段があった。

「!やっぱりあいつだわ…」

ヒロインの予感が的中していた。
階段の前に立ち塞がる様に、一人の美女と一人の男が寄り添う様に立っていた。

「また会ったわねぇ、ヒヨッコちゃん」

ヒロインを馬鹿にする様な視線で、幻惑師ミリアは言った。

「やっぱりあんたはミリア!何度現れても私があんたを倒すわ」

ヒロインはそう言い、鞘の剣を取ろうと手を掛ける。

「ふふ、相変わらず威勢が良いわね。でも無駄よ、あんたはここで今度こそ死ぬのよ、はあっ!」

ミリアが掌から魔法を放ってくる。
ヒロインは剣でそれを断ち切り、そのままミリアに向かっていく。

「はーっ!」

見よう見まねでヒロインは剣を振りかざすが、以前彼女を抱いたミリアの男がその剣を弾く。

「ほほ、無駄よ。私の男がいる限りね」
「…」

男は無言のまま、ヒロインの前にミリアを守る様に立ち塞がる。

「く…」

ヒロインがキッと男を睨んでいると、彼女の身体は一瞬羽の様なものに包まれると、そのまま風の防具へと変化していた。
あっという間の出来事に、ヒロインはもう驚く事はない。

(風の防具でミリアの試練を乗り越えろって事でしょう?)

ヒロインは剣をぎゅっと握ると、そのまま剣に風の魔法を込めていく。

「さあ、あのヒヨッコを倒してしまいなさい!」

ミリアの命令に、男が無言でヒロインに近づいていく。
ヒロインは風の魔法を帯び緑色の光を浴びた剣を持ち、そのまま向かっていく。

「はーっ!!」

風と剣が合体し、疾風の様な鋭い風がミリアと男を襲う。

「きゃあああああ!!」

ミリアはそれをまともに受け、悲鳴を上げる。
風が治ると、ミリアの姿は無く、男もその場に倒れていた。

「…ごめんなさいね」

ヒロインは男の横に立ち、そう呟く。
一度は自分を優しく愛撫してくれた男性だ。
ヒロインはそのまま、男に触れようと手を伸ばす。

「…」
「え…?」

男の腕が動き、ヒロインの腕を掴んでいた。
ヒロインが驚いている隙に、男は彼女の腕を掴んだまま立ち上がり、部屋の壁へと押し付ける。

「きゃあっ!」

ヒロインが抵抗しようと腕を動かすと、彼はそれを物ともせず、彼女の風のケープを横にグイッとずらしてしまう。

「な、何するのよ!」

男に掴まれた腕は、まるでビクとも動かない。
だが、彼はそれをあっさりと外した。
ヒロインが今の内にと、男を押し返そうと両手で彼の肩に掴む。
手に力を込めようとしたその時、ビクンとヒロインは体の震えを覚え、そのまま力を無くしてしまった。
男が両方の乳房の根元を掴むと、そのまま左の乳首に吸い付いていたからだ。

「あっ…!!」

ヒロインが驚いている隙に、男は口の中の乳首を舌でペロペロと弾き、右の乳房を一揉みしてから、乳首を摘み、くいっと捻る。

「あんっ!!」

ヒロインが声を上げてしまうと、同時に乳首も一気に硬さと尖りを帯びていた。
男は弾くのを止めると、左の乳首を根元から上へとゆっくりと舐め上げていく。
そして、先端まで辿り着くと、そのまま一気に根元まで含み、ちゅううっと吸い上げた。

「あぁんっ!!」

一気に与えられた強い快楽に、ヒロインは思わず大きな声を上げてしまう。
右の乳首も捻るのを一端止め、人差し指で乳頭を押さえると、撫でる様に転がしていく。
硬くなってしまった乳首は、コロコロと男の指に合わせ転がる。

「はあんっ!あぁ…ん」

この男の愛撫は、ヒロインの身体も覚えていた。
とても丁寧で、そして優しいと。

(抵抗…したくない…。この人の愛撫…凄く優しいんだもん…少しだけ…感じ、たい…)

左の乳首をちゅぱっと引き抜くと、男は右の乳首へと舌を移動させる。
指の愛撫ですっかり乾いて硬くなった乳首を、熱い舌を当てねっとりと根元から先端へと舐め上げる。
唾液で濡れた左の乳首は、指の間に挟み、その硬さと滑りを楽しみながら乳房と一緒に揉み込んでいく。

「あぁ…っあん…っ」

右の乳首を先端まで舐め上げると、口に挟み唇で擦る。
左の乳首を人差し指と中指で押さえると、指先で擦るようにしながらコロコロと転がしていく。

「はぁ、ん…あっ、あんっ」

硬い乳首が熱い舌によって解され、唇で擦られる感覚はとても気持ちが良く、ヒロインは甘い声を出してしまう。
それに引き寄せられる様に、男は口の中に乳首をちゅるっと滑らせ、そのまま吸い上げながら、優しく甘噛みしていく。

「はあぁんっ」

硬い乳首が噛まれながら吸い付く様に男の唇に絡み、ヒロインは思わず首を仰け反らせてしまう。
男は一端乳首から手を離すと、彼女の腰を支え、床に座らせる。

「あ…ありがとう…」

男の優しさに、ヒロインは素直にお礼を言う。

「…」

男もコクリと頷くと、再びヒロインの左の乳首に舌を当て、ゆっくりと根元から倒しながら転がしていく。

「あっ…あぁ…」

そして、舌を離すとピンッと乳首が元の位置にそそり立つ。
その乳首を一気に口の中に含み、ちゅう、ちゅうっと吸い上げる。

「あぁんっ!はぁあん」

強い快楽に、ヒロインは再び首を仰け反らせてしまう。
仰け反った事で男へと突き出された乳首をちゅうちゅう吸い、濡れた右の乳首を指先で押しながら乳房と一緒に揉んでいく。

「あっああん、あぁん…」

快楽に仰け反り喘ぐヒロイン、そんな彼女の形の良い尻を掴み、支える男。
そうしながら、左の乳首の輪郭をなぞる様に舌を絡ませ、右の乳首を優しく指先でコロコロと転がしていく。

「ああん、あんっ、あぁぅ…ん。(お願い…もっとして…もう少しだけ…私を気持ち良くさせて…)」

この男に対しては、ヒロインは抵抗する気など全く無い。
この男の優しい愛撫をもっと感じたい、それだけであった。
先に進む前にお願い…と、ヒロインは男の髪の毛に指を這わす。
男はヒロインの想いを悟ったのか、お尻のラインをなぞる様に指を動かす。
そして、左の乳首をちゅうぅっと強く吸い、右の乳房をぐにゅぐにゅと、その柔らかさを堪能する様に揉み込んでいく。

「あんっ、ああん!いい…っ、もっとしてぇ…っ、はあぁんっ」

快楽に大きく仰け反りながら、ヒロインは甘い声を響き渡らせる。
彼女を支えていた力はスッと無くなり、そのまま壁にゴチンと頭が当たる。

「いたっ!…あ…」

快楽から一気に酔いが覚めたかの様に、ヒロインの身体から熱が引いていく。
ヒロインを支えてくれた男は、彼女を満足させた事で、静かに姿を消してしまっていた。

「…気持ち、良かった…。もっと、してほしかったのに…っ」

彼がいなくなった途端、どうしようもない悲壮感がヒロインを襲い、彼女の顔を歪ませていた。
その内に、スッと光が現れヒロインの防具は元の光の防具へと戻っていた。
今までの事など、まるで無かったかの様に。

「行かなくちゃ…先に、進まないと…」

身体は、まだ愛撫と快感を求め疼いている。
だが、ヒロインは先に進むしかない。
快楽にフラフラとしながらもヒロインは立ち上がり、階段へと足を進ませる。
思った以上に、我慢の試練は心も身体にも辛いと、ヒロインはそう感じながら階段を登るのであったー。


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