Darlin' | ナノ


ずっとだよ?(1/2)

5月1日の夜。


私と夏輝さんは、夏輝さんのマンションで二人きりの時間を過ごしていた。


今、世間はGWの真っ最中。


まあ、私達には連休なんてあるはずもないけれど。


でも、今日だけは特別。


お互いスケジュールをやり繰りして、何とか二人で過ごせる時間を作り出した。


だって今日は、私達が付き合い始めてちょうど二年目の記念日だから。




「みのりちゃん、コレあげるよ」


夕食を食べ終わってリビングでコーヒーを飲みながらくつろいでいた時。


夏輝さんが綺麗にラッピングされた細長い箱を私に差し出てくる。


「え?‥夏輝さん?」


驚いて目をまたたかせている私の右手を取ると、夏輝さんはその細長い箱をそっと握らせた。


「ありがとう!‥‥ね、開けてもいい?」


「モチロン」


「‥‥‥‥っ」


サプライズプレゼントと私を見つめる夏輝さんの優しい視線に、私の心拍数が跳ね上がる。


それをごまかすように、私は繊細なラッピングを丁寧に解いて、ゆっくり箱を開けていった。


その中に入っていた物は。


「これって‥‥‥」


「ウン。俺とお揃い♪」


夏輝さんの首に光るシルバーのネックレス。


それよりは少し華奢な、お揃いのデザインのネックレスを夏輝さんの指先がそっと掬い上げる。


無邪気な笑顔でニッコリ笑ってネックレスを掲げる夏輝さんにつられて、私も楽しくなってくる。





シルバーが、照明のライトを反射してキラキラと輝くのに目を奪われていると。


夏輝さんは、そっと右手で私の体を抱き寄せた。


「みのりちゃん‥‥」


「え?」


「俺、さ‥去年の暮れに交際宣言も済ませた事だし?‥みのりちゃんが俺のモノだってみんなに見せ付けてやりたいんだ」


‥ガキみたいだよな、俺。


満面の笑顔の中で、私を見つめる視線と声だけがものすごく熱い。


「‥‥///」


照れ臭くなってうつむいた私の首に、夏輝さんがそっとネックレスをつけてくれる。


「あ‥‥」


冷たい感覚にちょっとだけ驚いていると、今度は両手でギュッと抱きしめられた。


「みのりちゃん‥‥仕事の時以外は、外さないでね?」


子供が甘えるみたいな口ぶりに、私も思わず笑ってしまう。


「うん、外さないよ?‥‥ずっと着けてる」


「ずっと?」


夏輝さんは、そこでなぜかクスクスと笑い出した。


「夏輝さん?」


「じゃあ、みのりちゃんはずっと俺のモノだね」


「な‥‥っんん‥」


驚いて声をあげた私の唇は、夏輝さんのそれで優しくふさがれてしまう。


(もう、夏輝さんてば‥‥‥‥‥夏輝さんだって、ずっと私のモノですからね‥)


私は心の中で呟くと、夏輝さんの広い背中にそっと手をまわした。





→あとがき


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