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年上のかわいい人
今日の綱海さんはなんだかおかしい。
体調が悪いのかなんなのか、普段は明るい人なのに、何やらムスッとしている。
と言っても、しかめっ面というよりは、唇をとがらせているというか、なんというか。
どうしたんだろう。
「大丈夫ですか?体調悪かったりしますか?」
声を掛けると、一瞬嬉しそうな笑顔と、すぐまた頬を膨らませる顔。
「綱海さん…?」
確認するようにもう一度訊ねると、大きな身体に抱き締められた。
「わ、えっ、え?!つっ、つな、綱海さ…!!!」
「もっと俺に構えよ…」
小さく、小さく溢された言葉。
でも、聞き間違いじゃない。
俺の耳の奥にしっかり響いた、大好きな低音。
「他のやつと仲良くした分、俺のことも構って…」
普段は聞けないような甘えた声に、俺は顔が熱くなるのを感じた。
了