ワンコと一緒
ピンポーンピンポーン、ピンポーン


「はぁい、いらっしゃい♪」


この3回のチャイムはいつもの可愛い彼氏が来たって言う知らせ。



「名前さぁん」



ドアを開けた瞬間、ギュ〜っと抱きついて来たのは、人気急上昇中のアイドル、一十木音也。


コラコラ、ここ玄関なんですけど。


そうは思ってもまるで仔犬が尻尾をパタパタ振って飼い主に懐いてくるみたいでまぁ何とも可愛らしい。



「よしよし、音也。中入ろう?今日、空港まで迎えに行けなくてごめんね…仕事立て込んじゃって…」



中に入り、お茶を出す。

ふぅっと一息ついて音也がソファにダイブした。



「いいよ大丈夫。売れっ子作曲家は大変だね、俺、超嬉しいよ。迎えに来てくれるって言ってくれたのも、こんなすっごい作曲家で手料理も美味しくて、優しくて可愛くて、俺の自慢の彼女さん♪」


楽しそうに音也が喋る。




「誉めすぎ!!恥ずかしいでしょ」



音也はそのあとも海外ロケの事を色々話してくれた。仕事を片手間に聞いていたけれど、あともう少しで一区切り、早く終わらせようと考えていた。



「あ、そうそう、ごめんね…ご飯も作る暇なくて。まだもうちょっと時間かかりそうだから、音也ゆっくりしてて。ご飯も適当にごめんね、今度は絶対作るから、そしたら一緒に・・・」




「・・・俺、何だか名前さんの邪魔してるみたいだね…今日は帰るよ」




「ちょ、音也・・・」



さっきとは真逆で耳も尻尾も垂れ下がってションボリしている様な後ろ姿。私が片手間に聞いていたの見て気を遣ったのだろう。


思わず後ろから抱き締めて、首輪でもするかのように首筋に印を着ける様な啄むキス。




「名前さん・・・そんなことしたら、俺」




「寂しいよ、音也。まだここに居て・・・」



「っ・・・」




本当はずっと待ってたの。だって海外ロケで1ヶ月も会えなくて、お互い仕事があるから連絡だって中々出来なかったから。でも、年上彼女としてはプライドがあったと言うか…


私が音也に甘えると、今まで可愛いと思っていた音也が軽々私を抱き上げた。

所謂、お姫様抱っこ。




「ちょっと音也!?下ろしてよ!!私重いから。本当、無理無理っ恥ずかしい!!」



「俺、男の子だから平気だよ。名前さんは女の子なんだから、俺にリードさせておけばいいんだからね♪」



ニコっと笑ってから寝室へ向かう音也。



そのままベットに下ろされ、上から音也が私を覆い被さるような体勢で見下ろした。
反らす事が出来ない程真っ直ぐな視線にドキっとする。



「名前さん・・・」



「ん…」



音也の整った顔が近づいて、唇が触れる。
徐々に舌を絡めて、お互いに深く深く熱を求める。私が腕を伸ばして音也の耳や首筋を指でなぞると音也の艶のある声がキスの間から漏れ響いた。


「ん、ぁ・・・」



音也が私のシャツのボタンを器用に外し、下着をずらして直接触る。それだけでもピクピクと反応してしまう自分が恥ずかしくて堪らない。



「名前さん、気持ちいいんだね・・・良かった」



「もぉ、恥ずかしいからそーゆう事聞かないでよ」



「えへへ、だって嬉しくて。名前さんと同じ気持ち何だなぁって」





あぁ、私今すっごく幸せかも。





音也は優しくて素直で、私の事をいつも考えてくれてる。音也といると私にもそれが伝染するみたいに心が暖かくなる。





「音也…大好きだよ。ずっとずっと好き・・・」




「俺も大々大好き。」

fin


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