「名前…その、なんだ。そろそろ、餓鬼でも作るか?」
嶺二なんかの妹と付き合って、さらに結婚までするとは思わなかった。
けど、嶺二と違って名前はいい女だ。目元が少し嶺二に似てはいるが、中身はアイツみたいにウザくない。
小姑のように「早く名前の可愛い可愛いベビちゃんが見たいなー!僕ちん姪っ子甥っ子早く欲しいなぁ〜ぜ〜〜〜〜ったい可愛いんだろうなぁ〜」と会う度に煩い嶺二。だが、もう結婚して1年が経つがお互い仕事が忙しくあるのは相変わらずで嬉しい事だ。忙しい毎日にかまけてお互いの愛を育む時間も制限されていたとは思う。
だが、やはりそろそろ…家族が増えてもいいんじゃないか、そう思った。
「…。」
「おい、何とか言えよ…くそっ」
「作るーーーー!!」
「ぅおい!!!急に抱きつくな馬鹿っ」
何も言わないでいるからそんなつもりがなかったのかと心配したが、ものすごい勢いで飛びついてギューギューと抱きつく名前に悪態をつきながらも俺の顔はきっと笑っているに違いない。
「ん…」
「はぁ…ん…らんまるぅ…」
繋がった部分がグチャグチャと卑猥な音を響かせている。名前の中はヒクつきながら俺のモノを離そうとせず、奥へ奥へといざなっている。頬を赤らめて、熱い吐息を吐いて俺の名を呼ぶ艶やかな名前を見下ろしているだけで愛おしくて堪らなくなる。
「はっ…名前」
「ぁあ、だめ、気持ちぃ…はぁん…」
ある一点を突くと名前が一層弧になってビクリと反応する。足を宙に浮かせて自らそこに導く様はエロティックでとても綺麗だと思う。
そろそろ限界を迎えると、更にスピードを速めて蜜ツボを刺激すれば互いに絶頂に向かうのだった。
「くっ…出すぞっ…」
「ひぁあっあ、あ、イク…イッちゃう…ぁあああっ」
「っ…く…」
朝か…
あれだけ夜にヤッたってのに、やっぱり俺もただの男だ。隣に眠っている名前を引き寄せると、ふわりと香るシャンプーの匂いにすら欲情する。
形のいい胸をゆっくりと揉みながら首筋に舌を這わせると、名前がピクリと反応した。
「ん〜…」
「…」
起きてはいるが、まだ完全に目覚めてはいないようだ。心地いい肌触りにゆるゆると刺激を与えるだけで、正直眠気もあってそれ以上の刺激は与えなかった。
「寝るか、弄るか…どっちかにしてよー」
「じゃあ弄る、で。」
「んぁ…」
痺れを切らしたのか、目覚めたのか、名前が俺の手を静止させた。
どっちかにしろって…ここで止めたら怒るくせに。
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その頃、蘭丸アパート玄関前…
「ふんふふ〜ん!イケメン嶺ちゃん参上!んー朝早過ぎかなぁ…でも今日を逃したら次いつ会えるかわかんないしなぁ〜…怒られそうだけど、まぁいっか☆」
可愛い可愛い我が妹である名前に今度主演が決まった映画で使えそうな資料が欲しいと頼まれていたが、なかなか仕事の都合で会えず仕舞いだった。
久しぶりに名前の顔も見たいし、スタジオまでの通り道だからと思ってよってはみたものの、朝早いとランラン血圧低そうだし怒られそう…
そう思いながらもインターフォンを押すけれど、どうも反応がない。
今日はいるって聞いていたのに、やはりまだ眠っているのだろうか…裏へ向かうと風通しのためだろうか、少しだけ窓が開いていた。
「名前…」
「んぁ…気持ちぃ…はぁ…ん…」
「良い眺め…」
窓から見えた光景に唖然とした。
ランランに跨って色っぽい声を出している名前…自分の妹がこんなにも大胆だとは知らず、更にその名前に向かって満足そうに笑うランラン。
「っっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
見てはいけないものを見てしまい、そのまま声をかけずにダッシュ。
もちろん資料は郵便箱に入れておいた。
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後日。
「ランラン今日はしくよろ〜☆」
「あぁ…」
嶺二の奴め…相変わらずウゼェ。新曲のスコアに目を通しながら挨拶すると、嶺二が近付いてきた。
「ちょっとランランってばお兄さんに対して冷たい!」
「うるせぇなぁったく。」
「あーあー、僕ちん本当にかわいそう!!!かーわいいかわいい妹もあんなっ…嶺ちゃん悲しい!!!」
「何の話だよ」
「だからこの前の木曜日の朝にっ………あー…」
「っ!!?嶺二てめぇ…」
「てへ☆ま、いいじゃん。」
「よくねぇ!!!!!!!!!」
その後も隙あらばこの話ばかりしやがる。
やっぱりウゼェ。名前と大違いだ。