本番はありませんが性的(R18)にお下品な要素を含みます。苦手な方はブラウザバック推奨です。


 白ひげの船での宴会を終え、シャボンディ諸島に戻って来たのは幾日か過ぎ、夜が大分更けた頃だった。よくわからない生き物の鳴き声、どこか遠くから聞こえる人の声。つい先日近くの島で『海賊王の息子の逃走』という大事件があったわりに、いつもと変わらない喧噪に笑ってしまう。
 歩くリュツィの横には、ふらふらとした足取りのレイリーがいる。別段飲み過ぎたわけでもないのにわざとらしいと言えば、わざとらしい。何が目的なのか、ほんの少しわからなくもないリュツィはため息をつきながらレイリーの腕を引っ張った。


「しゃんと歩かんかい。酔っとらんくせにふらふらすな」

「いいじゃないか。誰に迷惑をかけているわけでもないんだ。誰かさんと違ってね」


 棘のある言葉にリュツィはわずかに顔をしかめる。手を離してそのまま足を止めると、レイリーは数歩進んで、それから振り返った。


「キミはロジャーの息子を助け出して、海軍と白ひげを引っ掻き回して、世間は大騒ぎだ」

「それがなんや。今更やろ」

「そうだな。どうだっていい。だが私はとても傷ついた」


 世界の一大事を知ったことではないと切り捨てて、レイリーは自分が傷ついたことを持ち出してくる。なんと傲慢な男だろう、と思わなくもないが、リュツィも同じ穴の狢だ。世間のことなど本当にどうだってよくて、自分と、それに付随した自分の周りしか目に入らない。
 だから自分の周りに当たるレイリーが何を言いたいかは、わかってしまう。レイリーは一時的にとは言えリュツィが姿を消して酷く驚いただろうし、ルーキーたちの誘いに乗るような言葉を口にしたことを裏切りだと思っているし、更に言ってしまえばサンジという子供にちょっかいを出したことも気に入らないだろう。
 リュツィはそれに対し、お前には関係ないだろうとレイリーを突っぱねることもできる。できるのだが、リュツィにとってレイリーは簡単に切り捨てられるような関係ではなく、その選択肢はすぐさま排除することになった。レイリーもそれをわかっていて詰るのだ。
 そうしてにじり寄って来たかと思えば、商売女のように身体を押し付けてくるから始末に負えない。お前はもういい年をしたジジイなのだから落ち着けと言いたくなったが、返ってくる言葉が予想できてしまうので口を噤んでおいた。


「慰めてくれてもいいんじゃないか?」

「……レイリー、おどれなァ。ここどこかわかっとるんか? 外やぞ」


 外でなければいいと言っているような言い回しになってしまったことを、リュツィはすぐに後悔した。熱に浮かされたようなレイリーの目を見てしまったからだ。これはもう止めようがない。


「しゃあないなァ……」


 火をつけた責任は取るべきだろう。ちゅ、ちゅ、と子供騙しのキスをしながら道と言える場所から端へと寄っていく。木に押し付ける頃にはレイリーの口の中にリュツィの唾液が流れ込むまでになっていた。
 やんわりと勃ち上がっているものにズボンの上から触れると、ぴくぴくと反応するのが何故だか妙に可愛らしい。昔と変わらない反応に、自然と頬が緩んだ。
 器用に片手でズボンを適当に下ろして、もう片方でシャツをはだけさせる。唇から首筋へ胸元に舌を這わせ、いつの間にか主張していた乳首を口に含むの同時に下着を下ろして後孔へと指を差し入れた。コリコリとした前立腺を擦りながら、赤ん坊のように乳首を吸ってやるとレイリーの腰が震えた。少し歯を立てて刺激を増やしてやれば、それに比例するようにレイリーのものも怒張していく。
 ほとんど触ってもいないのに達してしまうのだろう。ふ、ふ、と聞こえてくる噛み殺しているような呼吸音の荒さが心地よい。どれもこれも、リュツィがレイリーに教え込んだものだった。


「ッ──あ゛」


 指を増やしてバラバラに動かして。右を舌と歯で刺激しながら左を指先で押し潰して。そうしてリュツィが器用に虐めているうちに、レイリーはあっという間に達してしまった。
 年の割りに元気よく飛び出してくる白濁がリュツィの服にも飛んでくるが、大した問題でもなく、リュツィは気にしたそぶりを見せなかった。それどころか次を期待するようなレイリーの欲に塗れている瞳を見つめているうちに、自然と唇が吊り上がってしまうほどだ。


「なんか興が乗って来たな……よし。近くに隠れ家があるからそこに行こうか?」

「……ま、待てリュツィ、一旦落ち着こう」


 一瞬で興奮が冷めたような顔をされ、そこではたと気が付いた。いつの間にか取って付けたような口調が取れて素に戻っていたのだ。要するに、厚い面の皮が剥がれる程度には、リュツィも興奮しているということだった。こんなときに、ジジイ相手に、などとは思うまい。本来リュツィも享楽的なことは好きだ。苦痛よりも快楽の方がいいに決まっている。そういうふうに作られた。そうであれと押し込められた。なので仕方ない。そう、仕方ないのだ。


「久しぶりに人相手では味わえない快楽を植え付けてあげようなァ」


 心からにっこりと笑みを作ると、血の気の引いた顔でレイリーは顔を引きつらせていた。けれど「お手柔らかに頼むよ」と言った瞳は確かに期待に揺れていた。

“リュツィフェール”続編でレイリーさんとエッチなことをするお話が読みたいです!@匿名さん
リクエストありがとうございました!


mae:tsugi

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