アイゼルネ・ユングフラウでif番外編、調教お付き合い報告お前には必要な枷だな(生誕ログ)の続き、ど下ネタを含みます。


 互いに貞操帯をつけて鍵を交換したまま別れる、という訳の分からないことをしたあと、結構長いスパンで会うことが出来なかった。クロコダイルさんは地元では英雄らしいし、おれはおれで仕事が忙しいので、どうしたって仕方ないのだが……。
 どっちにしてもクロコダイルさんがこっちに来るときにしか会えないのだから、クロコダイルさんの都合に合わせることは決まっていても、地元でメインの活動してるクロコダイルさんに『こっちに来てハートマーク』などと媚びを売るわけにもいかなかった。

 電話はそれなりにしていたのだが、その度にムラムラしてひどいセクハラ発言を繰り返していたように思う。ていうかね、おれ思ったのよ。貞操帯のおかげで、テレフォンセックスできねえって。だってね、電話の奥で相手が気持ちよくなってると最高じゃん? おれの声聞きながら自分で弄ってるとか最高にたまらないじゃん? ていうかなんなら、そういうプレイしたいくらいなんだけどね? おれの中で次に会ったときに自慰してもらおうと決めたきっかけの一つだった。

 ともあれ、そんな感じで悶々とさせられたおれは、半年後、クロコダイルさんと会うなり、宿泊先のホテルにこもり、貞操帯を外してからはただただはっちゃけた。当然である。自慰もできないのにクロコダイルさんの色っぽい声聞くとかこの半年ただの拷問だった。
 おれは異常に盛り上がった。クロコダイルさんを縛り、クロコダイルさんをイかせ、クロコダイルさんを舐め、クロコダイルさんを……とまあ、本当に欲望の限りを尽くした。とはいえ、開発染みたことには手を染めていないので青少年の性欲という免罪符を振りかざせば許されると思う範囲だった。


「……あちこち痛ェぞ」

「いやァ、なんかすみません」

「がっつきすぎだ」


 それはね、おれもそう思うの。結構色々したような気がするし、それ以前におれ、半年ぶりのクロコダイルさんに結構興奮してたし、貞操帯を外したときの解放感たるやたまらないものがあってね?


「やっぱり貞操帯は正解だったか」

「え〜? これ、貞操帯がなかったらここまでのことにはなってないはずなのでしっぱ……いや、もしかしてクロコダイルさんそういうのがお好きです? 無茶苦茶にされたい系?」


 散々よがっていたので、あながち間違いではないと思うのだが、クロコダイルさんはおれの頭をばしりと叩いた。そういう意味ではないということだろう。というか本来は、お前は浮気しねェようにしとく必要があるほどがっつきやがって、という嫌みだと思われる。その程度の嫌みがおれに通じると思ってもらっては困る。


「というかですね、貞操帯やっぱりなしにしません?」

「浮気宣言か?」

「いえね、電伝虫でこう、電話するじゃないですか。そのときにすっごいムラムラするんですよ。でも触れないんですよ。すっごいストレス! あと純粋に電話の向こうでクロコダイルさんに自慰してほしいっていう欲望が止まらなくてですね?」


 素直にそう伝えたら、クロコダイルさんは顔を顰めた。昨日プレイの一環で自慰させたことが影響しているのだろう。嫌がってたはずなのに最後はとろっとろになってて、ちょう、えろかったよ? 最高だよね? 貞操帯が外れたらしばらくオカズに決定してしまうだろうと思うほどのものだった。


「しねェぞ」

「ええ〜? でも気持ちよかったですよね? しちゃいましょうよ」

「しねェ」


 とか何とか言いつつ、クロコダイルさんが押しに弱いことはわかっている。泊まり込みは二泊三日の予定なので、今日明日のうちに頷かせればいいのだから、なんだかちょろい気がする。今日の夜にでもまた自慰させて気持ちいいの認めさせてオッケー貰おうっと。電話でプレイとか一回やってみたかったし。


「妙なこと企んでんじゃねェだろうな」

「別に何にも?」

「なんか企んでんだろ、言え」

「え〜別に〜ナマエねむい〜」


 普段出さないような甘ったるい声を出して馬鹿みたいなことを言いながら布団に潜ると、上から圧し掛かられた。ぐええ、重い……こ、これが愛の重さなのね……とふざけようと思ったが、残念ながら二人の間に愛はなかった。あるのは性欲だけである。なにそれひどぉい……。
 どうせなら好きになって欲しいと思う。だけど自分のしたことを考えるとそんな厚顔無恥なこと言えるかよォ!ってなもんで。困ったものである。おれはとっくに好きになっているのに、好きになったと伝えることすら浅ましい肉体関係を先に結んでしまったばっかりに……。

 ま、でもとりあえずクロコダイルさんはおれのもんだし、おれはクロコダイルさんのものだからそれでいいか! 暗いこと考えたって仕方ないもんな!
 目を瞑って脱力すると、その変化に気が付いたのか、クロコダイルさんに容赦なく布団をはがされた。半眼で見てくるクロコダイルさんえろいっすねぇ!


「おい、本当に寝る気か?」

「いやだってあんまり寝てないし……」


 おれたちが狂乱の夜を終えたのが明け方。そして今昼前。おれは健全なおこちゃまボディだから眠いわけだよ。というわけでおやすみ、と目を瞑ったら、頭上からため息が聞こえて来た。なんだかガッカリさせてしまったのかな、と少しだけ目を開くよりも早く、再び重みが加わった。……なんと、一緒に眠ることにしたらしい。
 その行動のおかげでムラムラというよりはきゅんきゅんしてしまって、寝付くまでに案外時間がかかってしまい、起きたらすっかり暗くなっていたのであった……。

メアリのクロコダイルさんお付き合いifの続きでシャボンディ諸島での逢瀬編が読みたいです!エッチなやつでもエッチ翌日のほのぼのデートでもよいので仲良い二人希望です@匿名さん
リクエストありがとうございました!



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