アイゼルネ・ユングフラウでif番外編、メイドによるクロコダイル調教の続き、ど下ネタを含みます。


 クロコダイルさんを縛るだけだったはずが緊縛からの足コキからの射精というとんでもないことをしでかした挙げ句、そこからまあ更に色々あはんうふんの展開になりまして。無事こちらの世界でも童貞卒業いたしました。なので男だとバレてしまい、ちょっと修羅場ったけど最終的にお付き合いすることと相成りました。先にセックスと緊縛済ますってどういうことなの。よく考えなくてもよろしくないと思います。
 色々と話し合ってからまあ一応保護者ズに報告した方がいいんじゃないかという話になって、時間の空いているところを見計らって三大将とクロコダイルさんをお呼び出ししたんですが、なんでこいつがいるんだという視線が凄すぎて死にそうだよ! クロコダイルさんがおれの仮設部屋のベッドに座ってもくもくしてるから余計に目線がすごいんだけど、でも言わなきゃならんね……そうね……。


「えーとですね、わたくしナマエめはですね、クロコダイルさんとお付き合いすることになりまして、」


 一応ご報告を、と告げるはずだったのだが「はあ!?」という合唱に飲まれて消えてしまった。あ、サカズキさん殺気立ってる。これ死んだわ。顔を真っ青にさせていたおれの手を引っ張ったのは、クロコダイルさんだった。だがニヤニヤと愉しそうに笑っているクロコダイルさんがこの状況を楽しんでいることは火を見るよりも明らかだった。


「ナマエはおれのもんになったってわけだ。保護者気取りのお前らには一応報告しておいてやろうと思ってなァ。さておれたちの報告はこれにて終了。ほら、仕事に戻ったらどうだ、大将殿」

「いやいや待って待って! いきなりどういうこと!?」

「おォーそうだよォ。そんなこと言われても納得できないよねェ〜、まさかナマエ、脅されてなんかないよねェ?」


 いきなりのことだし、本当なのか疑うのは基本だわな。それに脅されてないと言えば嘘になるような気もする。お前責任取れよ、という目をされたのは事実だ。ていうかまあ、おれが悪いんだけどね! あんな乱れに乱れたクロコダイルさん見ちゃったらもう止まれなかったっていうかね! うふふ!
 早く否定しろとばかりにクロコダイルさんに足を踏まれて、脳内で我々の業界ではご褒美ですという言葉が流れたが、それを口にしたら本気にされて攻守交代しかねないので黙っておくことにしよう。


「いや、そんなんじゃあないです」

「ならなんでいきなり付き合うことに? 別に好きだってんじゃなかったでしょうに」


 クザンさんにはお見通しなのだろう。たしかに恋愛感情はこれっぽっちも持ってなかった。性的に惹かれるところはかなりあったけどね。今も恋愛感情持ってるかって言われたらそれは別だが、互いを他者に取られないよう縛っておくには必要なことなのである。
 ていうかこれ、本当のこと言っちゃっていいのかなァ。ちらっとクロコダイルさんを見ると余計なことは言わずに事実を告げろという目をしていた。多分おれが男であるとか縛られて勃ったとかそっちのことだろう。不名誉だもんなァ、ほんとに。


「あー……いやそのまあなんと言いますか身体の相性がよかったと言いますか」

「まあそういうこった」


 素直にそう言ってみたらサカズキさんがマグマグして、クザンさんがヒエヒエして、ボルサリーノさんがピカピカし始めた。ヒエッ。思わずクロコダイルさんの腕をつかんでしまったのは仕方のないことだ。そのあとクロコダイルさんが煽るとわかっていたら多分こんなことはしなかった。
 クロコダイルさんは立ち上がりおれを抱き寄せると白々しい演技がかった声色で「怯えちまって可哀想に」とため息をついた。これは完全に保護者から子どもを取った形になった。怯えてすがる先が恋人だってんだから頭に来るところがあるのはわかるがどうか落ち着いて欲しい。その中でも一番落ち着いているであろうクザンさんが口を開いた。


「お前ナマエに手を出してどうなるか、」

「あ、すみません逆です……私が手を出しました……」


 激おこだった空気が完全に凍りついたのは間違いなくおれのせいだろう。固まっていたクザンさんとボルサリーノさんがちょっと待てどういうことだ説明しろという目をしてきたので、クロコダイルさんの名誉を傷つけない程度に本当のことを口にした。


「チェスに勝ったらなんでもしてやるとか言われたんで……つい……!!」

「クハハ、そういうことだ。手を出されちまったからこいつには責任取ってもらわねェとなァ」


 するりとクロコダイルさんがおれの頬を撫でてくるものだからつい照れ照れしていたら、サカズキさんが頭を抱えながら「わしゃ何も聞いとらん……」と出ていってしまった。ショックがでかすぎたようだ。明日には本当に忘れてそうな気がする。クザンさんはなんとも言えない顔をしていたが「ナマエを傷付けんなよ」とクロコダイルさんを窘めて出ていった。最後まで残っていたボルサリーノさんは、うーんと首を捻ったあと「ナマエ、何かあったらすぐに言うんだよォ」と悪魔も真っ青な綺麗すぎる笑顔を浮かべて出ていった。
 嵐が過ぎ去ってクロコダイルさんは腹を抱えて笑い出した。彼が笑う理由はよくわかるが、それは外から見たから言えることだ。はあ、とため息をつきながら我が恋人をちらりと見る。目があうと笑い声を止め、おれの首をつかみ顔を近づけて冷たい目で笑った。


「他のやつに目移りしたら殺すぞ」


 あ、本当にこの人おれに責任取らす気だ。そんなことを思いながらゆっくりとうなずいて、届く距離まで来ていたその唇に触れるだけのキスを送った。

アイゼルネでクロコダイルさん緊縛の続きでそのまま付き合ってしまうお話@匿名さん
リクエストありがとうございました!



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