140字企画
◆企画趣旨:140字でtext【終了しました】


2013/12/28
クリスマスリースだよ、と優午に言った。「物知りなのですね」彼は褒めてくれたけど、たぶん知っていたと思う。そしてふたりでチキンを食べた。「この食事があなたを作っているのですよ」。それから私は泣いた。じゃあ優午、何を作れば貴方に会えるの、と。鳥も鳴いた。どちらも聖なる夜のことだった。

@案山子の涙は雪になる



2013/12/27
宗教行事だよ、とエルメスと彼女が言う。ボクは余所に行っていたから説明を聞いていていないのは仕方なかったけれど、二人が知らない話題で仲良く盛り上がっているのを見るのはあまり気分がよくなかった。でも彼女の手がすぐに、冷えたモトラドのハンドルよりボクを選んでくれたから。まあ、いいかな。

@やきもちキノ



2013/12/26
澄み切った空気が肺に刺さる。体ごと凍ってしまうんじゃないかとも思う。でも手の中のカップは暖かいし、おいしいねと笑うキノの顔が炎に染まっていて綺麗だから、この季節は嫌いじゃない。それに、「キノ、寒くない?」「そうだね…じゃあ、」寒ければ寒いほど、キノの温もりが敏感に感じ取れるから。

@焚き火の夜に



2013/12/25
買い物に出て、出会ったのは彼だった。「こんな日もお仕事ですか?大変ですね」紙袋を見て大荷物だなと呟く。「手伝います」「悪いが連れて行けないんだ」申し出を丁重に断ると、彼は私の袋へ自身の包みを乗せた。「では、せめて差し入れを」思いやりの重みが加わる。「MerryXmas,ディミトリーさん」

@ディミトリー



2013/12/24
「今日は何の日か知ってるか?」「知らない」「有名じゃねえか。トーマス君のプレゼントが貰える日だぞ」「それは子供だけだよ。今日はケーキをいっぱい食べる日」「なんだ、知ってるんじゃねえか」「バカだね檸檬は」「お前こそ」「馬鹿はお前らだ。今日はイエス・キリストの誕生日だ」「それは明日」

@果物コンビ



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