V
「ほら、七海。嫌なんやろ?だっだら抵抗らしい抵抗して欲しいわ」
『アンタッて…っんと性格悪いな……ン、ぁッ』
「先輩にそんな口聞いてえぇんか、七海?後悔してへんも知らへんよ?」
敬語も忘れて乱れる七海の様子に、今吉は眼鏡の奥でニヤリと笑った。
普段は滅多に見せない素の彼がようやく出てきたのだ。その事にひとり優越感に浸りながら、七海の身体に手を這わしていく。そのたびにビクビクと敏感に反応するのが、いつしか楽しくなっていた。
ホンマに見込んだ通りの子やったな。
「七海、そろそろ限界きたんとちゃう?」
『んんッ、はぁ…ぁ……』
「って聞こえへんかな?いまの七海には」
さっきまで人を殺せそうなほど鋭く睨んでいた威勢はどこへやら。今の七海は、とろんと目元を潤ませて、身をよじる程度の抵抗しかしていなかった。
七海の下着を脱がしてやると、想像通り湿っていて、「ヤラしーやっちゃな」と、直接後ろの菊門を指でなぞれば、『ひゃッ…んぅ』と、何とも可愛らしい悲鳴をあげて、身体がはねた。
「七海はココ、使った経験ある?」
ないことが分かっていてわざと聞けば、涙を流し目元が赤くなった七海が『意地、…悪ッ』と、顔中を真っ赤にした。よほど恥ずかしかったのか、目を会わせないようにそっぽまで向いている。
つい先程まで威嚇ばかりしていた人物とは、偉い変わりようである。快楽には、いくら硬派な七海でも勝てなかったようだ。
「なぁ、七海」
『ん…』
「ワシが初めてもろてもえぇかな」
『ん、は…やく頂戴』
「七海が嫌いなワシがもろてえぇんやな?」
『焦…ら、さないで…、んん』
こりゃ、理性すら失ってしもたな。
七海の中にあるのは、ただイきたい、気持ちよくなりたい、というそんな感情だけなんだろう。それしか残らないほど、七海は溺れてしまっている。
それもたったの数十分でこれだ。
…監禁したらどうなるんやろ?
一日中、一週間、一ヶ月
考えただけで身体が疼き始めた。
いつ自分からワシを求めてくれる? 七海
そのうち待ちきれずに自慰を始めたりもするんかな?それはそれで見てみたいわ!
今吉を見ながら快楽を求めてくる七海は、あまりに煽情的で、今吉は堪えきれずに馴らしてもいないそこへ己を挿入させた。
それに対し、涙を流しながらも受け入れる七海に今吉自身が肥大したのは、仕方のないことだったのかもしれない。
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