ジージー、ミンミン


セミの賑やかな合唱が夏っぽさを演出している。
坂道をのぼった秘密基地近くの高い木。
僕らのリーダー、じんたんがそこをのぼっていた。まるでみんなのリーダーを代表するかのように堂々と存在感をだす。

「じんたん、危ないよー」

めんまが心配そうに声をあげた。

じんたんがよっと勢いをつけて上の枝に足をかける。

「だいじょーぶ、だいじょーぶッ、と」

ずるっと滑る音がした。


一瞬ひやっとしてそれぞれが驚きの声をあげた。











また明くる日……



「やっぱりじんたんのが一番おっきい!!」

「へへっ、だろ!!」


超平和バスターズのみんなで、虫取りをした。

カブト虫を見せるじんたんにあなるが感嘆の声をあげた。悔しそうに「ちぇっ」と舌打ちするゆきあつ。


「ほんと。すごい、すごい」


つるこはスケッチブックを手に首を傾けた。ほたるはつるこの横で、言葉はないが目を輝かせている。


ぽっぽは転んだままの格好で、

「じんたん、かっけぇーなぁ!」

と笑いながらいった。


僕ら超平和バスターズは何をするにも一緒で、ずっと仲が良かった。これからもそんな日が続いて行くことを疑ってなかったんだ。



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