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==ポケモン黒白==

「うわー!タマゴだ、タマゴ!」
「そうだぞ、乱暴に扱うなよ。そっとだ」

目の前のオレンジ色の大きなタマゴに胸が躍る。
お父さんのウルガモスが大切そうに持ってきたタマゴ。
あたしは、初めてタマゴを見て大はしゃぎ。
必死でお願いしたら、抱かせてくれて、暖かくて嬉しかった。
ウルガモスの横でモフモフしながら一緒に温める。

「早く、うまれないかな」
「ガッー」
「そうだな。ウルガモスもわしも楽しみだ」

微笑むお父さんの本当に嬉しそうな様子は久しぶりだった。
ずっと前にお母さんとお父さんのパートナーポケモンが病気でいなくなっちゃって。
お父さんは、ずーとずーと落ち込んでた。
あんなに、ポケモンリーグで強いって評判だったのに、いなくなっちゃった時があった。
あたしも置いていかれて、すごく寂しかった。
みんなの前では平気そうにしたけど、シキミさんやカトレアちゃんの所でしょっちゅう泣いた。
寂しかった。一人になって。一人にされて。
お父さんやみんなにはポケモンがいたけど、あたしには誰もいなかったから。

「まってるよー。早くね」

タマゴを撫でながら、暖かな感触に顔が綻んだ。
でも、今は一人じゃない。このタマゴが孵れば、新しい子が一緒にいてくれて。
お父さんもウルガモスも、みんな一緒に喜んで暮らせるんだから。


ウルガモスがずっとタマゴを暖めているようになって数日が経った。
時折タマゴが動いたり、ウルガモスがそわそわしてお父さんも慌しくする様子から生まれるんだと思う。
でも、そういう時に限ってお父さんはポケモンリーグに呼び出されてしまったりする。
前ほど酷くは無くなったものの、お父さんはチャンピオンなのにリーグにいない。
あたしも四天王に任せちゃって、基本的には各地を放浪しちゃうのだ。
だから、度々リーグに怒られに行く。そう言うと、大抵お父さんは苦い顔をするけれど。

「じゃあ、留守番を頼んだぞ」
「うん、ちゃんと見てるよ」
「何かあったらライブキャスターで呼べな!」

ガシガシとお父さん似の赤い髪を撫でられる。赤とオレンジの独特のグラデーションは珍しいんだって。
あたしは布に包まれた窓際のタマゴを見た。
きっとお父さんが帰る頃には生まれてきてくれるんだ。
リーグに行ってしまったお父さんを見送って、あたしは家の奥に戻ろうとした。
それで、あっとびっくりする。いつもなら、窓際のタマゴがそのままきちんと置かれているはずなのに。
無い!タマゴが!と思った時、開け放たれた窓からガタリと派手な音がした。
それで体がガタガタ震えて、動けなくなる。
窓に鋭い鉤爪をかけてタマゴを抱えている大きな鳥ポケモンがいるんだ。

「チャッー!!」
「まっ!まって!タマゴをかえして!」

その大きな鳥もタマゴの殻をかぶっている風貌で、こちらに派手な声を上げて威嚇した。
怒ってる、でもタマゴを取り返さないと。初めて見る野生のポケモンはすごく怖かったけど。
そんなこと言ってられない。だって、あのタマゴは、とっても大切なタマゴなんだ。
あのタマゴが無いと、お父さんがまた悲しんじゃう。
また、一人ぼっちになっちゃう。

「まって!」

窓から崖へ飛び出した鳥ポケモンを追おうと、窓から身を乗り出してびっくりした。
窓の下は断崖絶壁。険しい山々の下りが続く。お父さんが言ってたことを思い出した。
この先はチャンピオンロード。すごく強いトレーナーでさえ行く手を阻まれるリーグへの登竜門。
もちろん、生息してる野生ポケモンだってものすごく強い上に凶暴。
だから絶対一人で行くなって、四天王にも言われた。

鳥ポケモンが断崖の合間に消えていく。その翼に抱えられたタマゴが見えた。
そんなこと関係無い。あたしは、どうなったっていい。あのタマゴだけは。
窓から位置を確認して、走って外へと飛び出した。


「どこ・・鳥さん・・どこにいるの」

リーグの門前にいた警備員の目を潜り抜けて、構わずチャンピオンロードへ通じる穴へ入った。
薄暗い洞窟内では時折、ポケモンが鳴く声がして、壁から垂れる水音が酷く不気味。
すごく怖くて泣きそうだけど、それ以上に必死で足を動かして奥へ奥へと進んだ。
お願い、出てきて。攻撃したって構わないから、逃げるのとそのタマゴだけは奪わないで。
あたしを一人にしないで。鼻の奥がツンと鳴りながらも、足を動かした。

「!」
「グルル!」
「ノンド!!」

ビクリと奥の開けた先から聞こえる唸り声にビクリと体を揺らせた。
慌てて岩陰に隠れたら、天井に垂れ下がってたコウモリポケモンがこちらを見た。
震えたけど、すぐに興味を無くしたようで静かになった。
恐る恐る岩陰から除き見る。目を瞬いた。
野生ポケモンは初めて見るポケモンばかりだけど、そのポケモンたちはもっと初めて見た。

互いに向き直って、派手に唸り声を上げあっている。
一匹は黒っぽい四足のポケモンで眼が見えないみたいだけど、歯をガチガチ鳴らして怒っている。
もう一匹は口元の大きな歯っぽいものが印象的な二足歩行の緑色のポケモン。
どちらにも言えることは、多分どっちもドラゴンポケモンなんだってこと。
ポケモンの種族については、ギーマさんから聞いたことあるから分かる。

「喧嘩・・してる?」
「ガァ!」
「ノンド!」

ガシリと目の見えない黒い方が緑色の方に噛み付こうとしたけど避けられた。
ドシリと頭を洞窟にぶつけてしまって、ブルリと頭を振るわせる。すごく痛そう。
でも目が見えなくて攻撃を外したのか。緑色の方が口の刃で黒い方をどついた。
黒い方が痛そうな鳴き声を上げて暴れ回る。それを見ていて酷く悲しかった。
初めて見たポケモン。初めて見たバトル。どっちが悪いのか、どっちが勝つのかそんなの知らない。
見ていたくない。込み上げてきた何かを堪えて岩陰から飛び出した。
黒い方の体が傷だらけで震えて、緑色の方が飛びかかろうとしてた。

「だめ!」
「ンド!?」

緑色の方の前に出れば、緑色の方はすごくびっくりして動きを止めた。
野生なはずなのに目を丸くして、急に出てきたあたしをちゃんと人間だって理解したらしい。
急に大人しくなったこの子はきっと、元々大人しくて賢い子なのだ。
ドラゴンタイプは知能も高いって聞いたことを思い出して、ごめんねと謝った。
それで急いで後ろへ振り向いて、倒れている黒い方に近寄る。
黒い方は頭を一端上げて、匂いを嗅いだ後に大きく唸った。

「ガァ!!」
「うごいちゃだめ!けんかもだめ!!」
「グルル!!」
「った・・!・・め!!」

起き上がろうとした黒い方を必死で押さえたら、暴れまわって口をガチガチ鳴らした。
そしてすごい速さであたしの方へ首を向けて、腕に噛み付く。
痛い、猛烈に痛い。熱い。それが最初に感じたことだった。
それでも腕を見ないで、必死で黒い方を押さえ込んで起き上がらないようにする。
噛まれていない方の腕で体を撫でてあげた。こうしたら、お父さんのポケモンはみんな安心したから。

「だめっだよ・・だめ・・」
「・・・ルル・・」
「・・ド、オノン・・・」

痛くて、熱くて、怖くて、気がついたら涙がボロボロ溢れていた。
それでも黒い方が動いてこれ以上酷いことにならないように必死でしがみつく。
体を撫でた手が震えて辛かった。すると、黒い方が小さく唸り声を上げた。
不思議と軽くなる腕の感触。目を開ければ、噛み付いていた腕が離されていた。
黒い方がそのまま泣いているあたしの顔に近づいて、戸惑うように首を振る。
後ろで、緑色の方も酷く困ったようにしていた。

「だいじょうぶ・・だって、あたしよりも、いたいのみてるほうがヤダもん」
「「グル・・」」
「だから、きみたちももうやめて。おねがい」

まだ戸惑う黒い方の頭に手を伸ばして撫でれば、黒い方は震えていた。
頭を撫でれば口をガチガチ鳴らす。その様子から分かった。この子はとても不器用。
きっと暴れん坊でこんな風に人ともポケモンとも接したことがないのかもしれない。
クスリと笑って黒い方の頭を抱き締めれば、黒い方は本当にどうしたら良いか分からないみたいだった。
しばらくそうしたら黒い方の頭を摺り寄せてきて、あたしは安心して体を離した。
もう大丈夫だ。痛いことも辛いことも無い。

「ノンド?」
「え、うで?だいじょうぶ。ほら!こうすればね!」

近づいてきた緑色の方に腕を示されて、ポケットから小さな布を取り出して巻いた。
こうすれば血だって見えないし、痛みは耐えてるから大丈夫。我慢するのには慣れている。
立ち上がったあたしは最初の目的を思い出して、もう戦う様子の無い二匹に聞いた。
答えは分からないと分かっても、聞いてしまうこと。

「ねぇ、あたし、鳥ポケモンにだいじなタマゴをとられちゃったの」
「ド!」
「さがしてるの、だいじなタマゴなの。鳥ポケモンをしらないかな?」
「ガァ・・」

すると、緑色の方が何か反応して、しきりに奥の方を指した。
まさか、と思って、その子たちにお礼を言って一直線に走る。
痛みは構ってられなかった。段々と先に光が見えて、洞窟の外へ。
荒地が見えた外の世界。吹き荒れる砂の霞む先の壁際に巣を見つけた。
アレだ、きっとアレだ。走り出せば近づく距離。巣の中にある見慣れたタマゴを見て声を上げた。

「タマゴ!!」
「チャイ!!」
「あ!」

巣の目の前で、崖から飛び降りてきた鳥ポケモンに足が止まる。
あと少し、すぐ目の前なのに。すごく怒って威嚇する鳥ポケモンで先に進めない。
それは君のタマゴじゃないんだと言っても、怒ってて話を聞いてくれない。
そもそも通じるはずもないんだけど、他にどうしていいか分からなくて涙が出た。
後できることは、流れる涙を拭って、鳥ポケモンを見据えた。
落ちていた小石を握って、構える鳥ポケモンに立ち向かう決意をする。
けど、先に動いたのは別の影だった。

「グルァ!」
「バルチャ!」

鳥ポケモンに激突する黒い影。びっくりしていたら、あの黒い子が鳥ポケモンと乱闘する。
その隙に、緑色の子が巣に寄ってタマゴを抱えてきてくれた。
助けてくれたのだ。緑色の子がタマゴを差し出してきて、嬉しくてタマゴを抱き締めた。
感謝でいっぱいになる。ありがとうと言う言葉も、黒い子の鳴き声で止まった。
黒い子が鳥ポケモンに倒されている。派手につつかれて苦しむ姿に震えた。
駄目だ、やられてしまう。さっきのバトルで傷を負っていたから余計。
こういう時はどうしたらいい。人間のあたしにできることは。

「!!かみくだく!」
「グルア!!」

咄嗟に出た言葉に、鋭く反応した黒い子は鳥ポケモンに噛み付いた。
至近距離だったからか、見事に攻撃が命中して鳥ポケモンは飛びのく。
でもあんまり効果が無いみたいなのが様子から分かる。多分、属性が同じだったせいだ。
あの鳥ポケモンは見た目からして悪っぽそう。そして黒い子も。
悪タイプはギーマさん。ギーマさんの話を必死で思い出す。

「!あれは、つばさでうつ・・よけて!」
「ガァ!」
「そのまま、とっしん!」

悪タイプの攻撃が利かないのなら、物理技でいくしかない。
飛び上がった黒い子の攻撃が見事に命中して、鳥ポケモンは酷く痛そうな声を出した。
震える目ですごく怒りならが金切り声を上げたけど、結局洞窟内へ消えていった。
逃げたのだ、バトルを放棄して。残された巣の前で、ヘナヘナと座り込んだ。
まだタマゴを持つ両手が震える。あれが、バトル?

「はぁ・・わ!」
「グル!」
「ノンド!」

両手でタマゴを抱き締めて息を吐けば、黒い子と緑色の子が両側にやって来てあたしの頬を舐めた。
それがすごく嬉しくって、タマゴを膝に置いて二匹を撫でた。ありがとう、とすごく感謝する。
この子たちのおかげでタマゴを無事に取り戻せたのだ。
あたしが二匹にまた舐められた時、タマゴが派手に揺れた。大きくヒビが入る。

「!」
ピキリと割れた欠片が膝に落ちていく。目を見開いたまま生まれる様子を見つめる。
二匹も視線を膝のタマゴに集中させて、完全に割れた先から生まれたポケモンはこちらを真っ直ぐに見た。
パチリと動く瞳が、初めての世界と見下ろすあたしだけを映す。

「け・・・けむし」
「「グル」」
「・・・ルバ!!」

いそいそと体を動かして残りのタマゴの殻をペイと下へ落としたポケモン。
骨が無い動き方は毛虫そのもの。でも胴体の上は白い体毛で覆われていて。
あたしはまさか毛虫が生まれると思わなくて、色々な意味で、ショックで震えていた。
固まるあたしを他所に、毛虫が膝の上でウゴウゴする。ゾワッと背筋が泡立った。
毛虫は、慣れない。あたしは涙目になるも、どうやら酷く懐いているらしいその子を振り落とすのもできない。
あたしの首元まで這い上がった上機嫌な毛虫に、静かに涙を流した。

「けむし・・・にがて、なのに・・」
「ラルバ?」
「ううん・・きみの、せいじゃないよ・・」

しょうがない。慣れるしかない。毛虫を恐る恐る抱き上げれば、案外白い毛がモフモフだった。
嬉しそうに鳴く毛虫に、あたしも苦笑いして、黒い子と緑色の子も顔を近づけて匂いを嗅ぐ。
途中で黒い子が噛み付こうとしたが、緑色の子が止めていた。

「あ・・、もうかえらないと。お父さんが・・」
「ノンド?」
「えーと、ポケモンリーグ。人間がいっぱいいるー上―なんだけど・・」

上を示して、自分を示したら緑色の子が頷いて、あたしの手を引いてくれた。
あたしはその子に誘われるまま、毛虫っ子を抱えて歩く。その横を何故か黒い子もついてきた。
それから、時折洞窟内でポケモンに会ったけど、みんな黒い子と緑色の子が相手をしてくれた。
流石、ドラゴンポケモンだけあって、一般的には強いのかもしれない。
頂上の開けた場所に出た時、リーグの門前で警備員に迫っているお父さんを見てびっくりした。

「娘が!娘がここをっ!!」
「お、落ち着いて下さいチャンピオン!」

顔面蒼白。って言葉があった気がする。すごい形相で警備員に迫る姿なんて見たことない。
ポカンと佇んでいれば、お父さんの横にいたウルガモスが最初にこちらを見た。
腕の中の毛虫っ子が鳴く。それでお父さんと警備員の目がこっちに向いた。

「!!ナマエ!!」
「お父さん」

一瞬、ものすごい速さであたしに走ってきて、あたしを抱き締めた。
勢いが強すぎてよろけて、それでもお父さんの手が震えていてびっくりする。
どうしていいか分からなくて身じろぎすれば、腕の中の毛虫っ子がお父さんの腕をガジガジ噛んだ。
横の二匹もお父さんを放そうと裾を引っ張る。そこに、ようやく警備員とウルガモスが来た。

「お前が無事で良かった!ホントに!お前まで何かあったらわしは!!」
「・・だ、だいじょうぶだよ。ごめんなさい、お父さん。でも!タマゴはぶじだったから!」
「お前は!この馬鹿娘が!」

ガツンと軽く小突かれて頭を痛そうにしたら、黒い子がお父さんに吠えてしまった。
お父さんは初めて黒い子と緑色の子に気がついたみたいで、びっくりしてあたしを見る。
黒い子に呼応して緑色の子が吠えれば、毛虫っ子はまだお父さんの服をガジガジしていた。
駄目だよ、と引っ張れば外れる毛虫っ子の口元からお父さんの破けた服が出た。

「な!?モノズにオノンドじゃないか。何でこんな所に」
「この子たち、モノズとオノンドっていうの?あたしをたすけてくれたの」
「珍しいですね。チャンピオンロードですら出会うことは稀なのに」

警備員の言葉に、モノズとオノンドはそっぽを向いた。
どうやらお父さんと警備員は嫌いみたいだ。あたしを両腕に抱えたままの毛虫っ子をお父さんに差し出した。
横のウルガモスが嬉しそうだった。

「はい、お父さん。タマゴから生まれた子だよ。けむしだったけど」
「・・っハハハ!お前は本当にっ・・。そりゃそうだ、そいつはメラルバって言うポケモンだからな」
「メラルバ?」
「だが、どうやらわしでは育てられんようだな」

モノズとオノンドに平気な顔で返したあたしが可笑しかったのか。お父さんは散々笑った後で苦笑した。
メラルバを差し出しているけど、お父さんが手を伸ばせばメラルバはお父さんに服の裾を口元から吐き捨てるだけ。
警備員が唖然とする横で、お父さんは「ほらな」と冷や汗をかきつつ言った。
メラルバは、すっごく態度が悪い。ウルガモスが横で戸惑っていた。

「だめだよ、メラルバ」
「ルバ!ルバ!」
「・・・どうやら、チャンピオンじゃなくてナマエちゃんがいいらしいですね。刷り込みってやつですか?」
「ああ。まあ、仕方ないさ。どうせ孵ったらナマエの最初の手持ちにするつもりだったしな」

目を瞬いてお父さんを見返せば、突き出している両手からメラルバがヨジヨジ動いてあたしの体を這った。
肩までよじ登って、首元にモフモフで巻きつく。ああ、これは完全にお父さんは駄目らしい。
両サイドのモノズとオノンドがメラルバを見上げて鳴けば、メラルバも返した。

「フッ!その三匹は仲が良いな!お前、まだゲットしてもいないのに、もう手持ちが三匹か!」
「・・・・そうなの?」
「前代未聞ですよ、チャンピオン」
「いいさいいさ!こんな面白いことはない!」

大笑いするお父さんの笑う理由が最後まで分からなくて、結局あたしは首を傾げるだけだった。
もちろん、家に帰ってから、傷のせいでお父さんにこっ酷く怒られたのは言えない。
モノズとオノンドは家に住み着いて離れないし、メラルバは家の中を這い回っていた。
そんな、小さい頃の思い出。


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