第5Q

ガシャンッ…


「ウソ…だろ!?」
「黄瀬を抜かして…シュート…!?」

シュートが決まったあと、バスケ部員や、観客が騒ぎ始める。


「…なっ………」

抜かされた当人―黄瀬は、呆然として、私を見ている。
私は、そんな黄瀬の側に歩いていく。



「…黄瀬涼太。そして、中村先輩。これで私の実力は解ってもらえましたか?」

「っ…クソ……」
「………。」

悔しがる中村先輩。と、未だに呆然としている黄瀬涼太。
けど、二人に裂いている時間などは今はない。

「…監督、練習を再開してください。時間がありません。」



IHに勝たなければいけない。
そのために、私はここに来た。


「…ああ。……中村、黄瀬、お前たちは少しわしに付いてこい。」



「……皆さん、練習を始めてください。」





勝つためなら、私はなんだってする…







たとえそれで、


"自分"を失おうとも………






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