"人の不幸は蜜の味"の理由
『マコトくん』
声が聞こえる。
懐かしい、俺の大好きだった声。
声の方を振り替えると、そこにはアイツが立っていた。
白い花たちに囲まれて、昔と同じように楽しそうに歌を紡ぎ、俺向かってに微笑んでいる。
心地よい、優しく高い声。
柄にもなく、頬が緩んでしまう。
―――が、その時。
風景が、変わった。
学校の屋上に、アイツが一人。
風は冷たく、彼女の黒髪を靡かせる。
彼女の瞳には光がなく、フラフラしながらも、隅へと歩いていく。
そして――…
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
「…っ!!」
突然に、目が覚めた。
チュンチュン、と外で鳥が鳴き、太陽の光が少しずつ部屋に差し掛かり始めている。
体をおこし、頭を抑える。
――また、あの夢を見ていた。
「クソ…っ」
何回目だ、あれを見たのは。
あれは、過去の記憶。
…俺がまだ、中1だった時の記憶だ。
正確に言えば、"俺"の記憶ではないと思うが。
あの時の俺は、アイツに恋をしていた。
もっと言えば、俺たちは恋人同士だった。
そしてそれは、中学生思春期の一時的な恋心ではなく、本当の、一生に一度の恋だった。
だがアイツは、自ら命を絶った。
それは、俺がバスケの試合…全中の試合中だった。
校舎の屋上からの飛び降り、だったらしい。
遺体は見せてもらえず、最後の別れも言えなかった。
噂によると、アイツはいじめにあっていたらしい。
だがそんな証言は、あの時誰も口にしなかった。
そしてそれを知ったあの日から、俺は変わった。
"人の不幸は蜜の味"
そう言っているが、本当はただの憂さ晴らしだ。
全ては、
アイツを俺から奪った、
全ての者に…人間に、
復讐をするために。
あとがき
や、やばい!!最後グダグダですね(>_<)
というか、花宮くんがキャラ変わってるような…(-_-;)
しょ、しょうがないんです!!
スミマセン!!!
次は明るいのを書こう…うん。
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[mokuji]
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