Love=Skidding

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カチャカチャ、と食器を片づける音とテレビのバラエティ特有の笑い声。そんな中、俺は皿を片付けながら悩んでいた。

今日はトラファルガーの誕生日。
それを祝ってやる、と俺の家に連れてきた。…連れてきたはいいが、俺は今にも抑制というものがぶっ飛んでいきそうだ…！
なぜなら…

なんとなく会話をしようと口を開く。



「なーんか、お前が俺の家に居るのって新鮮だなぁ」

「…そーだな」



そう、初めて恋人を家に連れてきたんですよ。
恋人になって三ヶ月とちょっと、よく我慢できたな俺…！この三ヶ月とちょっと、この可愛い生物にどれだけ理性を失いかけたか…。上目遣いや甘ったるい声を出してきたり…なんだよもう！俺を誘ってんのか！ってのを多々する俺の恋人。もうあれ故意だろ？やっちまっても…いやいやいや！駄目だろ！！となんど踏みとどまったか…。



こいつのことを大切にする、トラファルガーと付き合い始めて俺はそう決めていた。
でもやっぱり好きなやつとセックスだってしたい、けどがっつきすぎて嫌われたら…と悩み、友人のキラーとトラファルガーの保護者的役割のペンギンに話してみれば「気持ち悪い」と一蹴された。キモイと略されるより心に何か鋭利なものが刺さったような気がする。

そんなこんなで三ヶ月ちょっと経った。
未だにフレンチキスから進展していない。……だが焦るな俺。心頭滅却火もまた涼し。だからソファでこっちをジッと見つめてくる可愛子ちゃんに興奮するな俺の息子…！

後ろから深いため息が聞こえて振り返る。
視線が合い少しだけ照れてしまう。ちくしょ、可愛い。
俺は微笑みながらどうしたと聞いてみるが、トラファルガーは顔を赤らめて顔をそらす。
今すぐ抱きしめたい衝動に駆られる。だけど今俺の手は洗剤だらけだ、我慢しろ俺…！そうか、なんかあったらすぐ言えよ、といい俺は皿洗いをこれ以上にないくらいのスピードで再開した。
これを早く終わらせる…そしてあの可愛い生物を抱きしめるんだ…！

ようやく皿を洗い終え、手を拭こうとタオルに手を伸ばす。
拭きながらトラファルガーのほうへ向かう。するといきなり俯きながら口を開くトラファルガー。


「ユースタス屋…」

「うん？」

「大好き」



思わず手を拭いていたタオルをパサッと落としてしまう。一気に顔が赤くなるのが自分でもわかった。顔を上げて俺の顔を見て驚くトラファルガー。え、どうしたの？って顔すんな…！誰のせいで赤くなったと思ってんだ！首を傾げるな可愛い！！



「〜〜〜〜ッ！もうホント！お前心臓に悪い！」

「え、え？なんで！？」



口元を手で覆ってトラファルガーのほうを指差す。それに本気で焦るトラファルガー。
不意打ち過ぎる！そんなこといきなりストレートに言われたら誰だって赤くなるわ！あまりにも突然すぎて、嬉しすぎて、足の力が抜けてその場にへたり込んでしまう。



「そんな不意打ちとか…マジ卑怯…」

「ゆ、ユースタス屋…？」

「つーか、そんな可愛いこと言われたら理性がもたねぇ…」



マジで今までどんだけ我慢してきたと…！今のでやっとこさ落ちついてきた下の息子が半勃ち状態だわ！
そんな様子の俺に、トラファルガーはおどおどしながら俺のそばに座り込み口を開く。


「理性って…」

「そのまんまの意味ですよ、トラファルガーくん」

「だって、今まで手を出してこなかったじゃん」



もう、無理。
気がつけば俺は、トラファルガーの少し薄い唇にしゃぶりついていた。



「ふ、んむ…はッ」



…やべぇ、エロい。
今まで触れるだけのキスしかしなかったから知らなかったが、こいつこんな声出すんだ…。顔も赤く高潮して、目は涙目になっていて、凄く扇情的で気持ちが昂ぶっていくのを感じた。
唇を軽く自分のそれで挟んだり、舌を絡めとったり、何度も何度も喰らいつく。こんなに気持ちいいキスは初めてだ…こいつとじゃなきゃこんな幸せな思いできねぇんだろうな。

何分か経って満足し、トラファルガーの唇から離れる。けど、まだ欲しい。
もっと、もっとこいつが欲しい…。
もっとトラファルガーを知りたい…。



「ユースタス屋…」



トラファルガーの呼びかけに、先ほどのキスでボーッとしていた脳が活動を再開し始めた。…やばい、やってしまった。
俺は勢いよく頭を下げトラファルガーに謝罪する。



「わ、悪ぃ！！」

「え、」

「お前のこと、大事にするって決めてたのに…こんな荒々しいの、嫌、だよな…」



そう言い、再びスマンと頭を下げる。
…俺、こいつのこと世界で一番大切にして、愛してやるって決めてたのに。こんな荒々しいキス、嫌われてしまったかもしれない。こいつが居なくなったら、俺は…。

そんなことを考えているといきなり顔にクッションが飛んできた。



「ッだぁ！！…なにすんだよいきなり！！」

「それはこっちの台詞だ！なんだよ今の！」

「だからそれは謝ってんだろ！」

「それだよ！何で謝るんだよ！！」

「なんでって、いきなりこんな荒々しいキスしてお前に嫌な思いをさせたから…」

「なんで勝手に決め付けるんだよ！いつ俺が嫌がってたよ！？」

「ッ、！」

「さっきのキス、今までのキスで一番気持ちよくて、嬉しくて、もっとして欲しいと思った…そんなふうに謝れたら、幸せだって感じたの俺だけみたいで…ッば、かみたい」



ぼろぼろと泣き出すトラファルガーの言葉にはっとする。
そうだ、こいつの気持ちも確かめないで勝手に自分で決め付けて…。これじゃあからまわりじゃねぇか。
何度も袖で涙を拭うトラファルガー。

なに恋人の誕生日に恋人を泣かしてんだよ俺・・・。
いてもたってもいられず、俺は子供をあやすかのようにトラファルガーを抱きしめる。



「ユースタス屋…？」

「ゴメン、お前の気持ち考えないで…一人でつっぱしっちまった」



目元に優しく何度もキスをする。



「俺、ユースタス屋のこと好き、大好き」

「俺も大好き、愛してる」

「だから、キスしてくれて嬉しかった。もっとしたいって思った」

「うん…悪い」

「謝れるの、嫌」

「…」



怒ってる、よなぁ…。
トラファルガーのムッとした顔にしゅんと落ち込んでしまう。あーもう本当俺ダメダメだわ…。

そんな俺を見てトラファルガーはクスリと笑う。何か面白かったか？思わず首をひねる。
するとトラファルガーは俺の首に腕を回し、顔を近づける。



「謝るよりも俺、もっとキスとか、それ以上もしてもらいたいんだけど？」

「え、おま」

「今日の俺の誕生日プレゼントってことで、ユースタス屋を頂戴？」



ニヤリと妖しく笑うトラファルガーに、俺も吐き出すようにハッと笑いトラファルガーを抱き上げる。そのままベッドのほうにドサッと降ろし、上に覆いかぶさる。

…上等だ。可愛がってやんよ。



「今まで我慢してきた分、全部ぶつけちまうぜ？」

「…こいよ、全部受け止めてやる」







Love=Skidding
（キ、ッド…あッ、す、き）
（俺も…愛してる）



+++END+++



はい、こんなおまけですいませんっしたぁぁぁ！！！！！
うっわー始めすっごい下ネタだー（棒読み）

もうなんかおまけのせいで話がすごいグダグダ感がハンパないですが、そこはもうご愛嬌ってことで←

一応こちらもお持ち帰りフリーとさせてもらいます！
サイトなどに載せる場合はサイト名か管理人の名前を書いてもらえると嬉しいです！


キッドくん！ローたんをデロデロに可愛がってね！←

霧咲
(2011.10.9)

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