推しに尽くしたい話 | ナノ


▼ ネタ帳/原案

 ある朝ふと気付く。あれ、私の見たい今晩の番組は日売テレビなのかと。東都環状線のニュースをキャスターが実況している。はいSAN値チェックのお時間です。助けてダイスの女神様。これは一体どこの夢小説なんだ? 幸いにしてここは大阪、日本のヨハネスブルグからは程遠い。どうやら命拾いしたらしいがさてどうしたものか。とりあえずいつも通りの労働しちゃう社会人。昼休みにスマホをポチポチいじってみるが名探偵コナンもまじっく快斗もなにも見つからない。だからといって身の回りも人間関係もなにも変わらない。
 一体今はいつなんだろうとちょうどやってきた翌日からの3連休を利用して1人で意気込み米花町に足を踏み入れるもポアロでコーヒーを飲んだだけの初日。あれれー? おかしいぞ。とりあえずあむぴはまだいないんだな分かった。よくよく調べてみると、怪盗キッドはいるが眠りの小五郎は検索しても引っかからない。あむあず見れなかったのは非常に残念。冷静さが足りなかったな、なんて命取りなんだ。比較的平和なうちにと翌日杯戸町へ足を伸ばしたところで視界に入るミルクティーカラー。トリプルフェイスゴリラさんこんにちは。グレースーツてことは降谷モードですねわかります。いややたらピリピリしてるからバーボンさんかも。うっかり事件に巻き込まれて何故か降谷零と連絡先を交換。関西にも協力者が欲しかったのかななどと思案しつつ、毎週のように連絡を取り合い数ヶ月に1度は顔を合わす不思議な関係に。原作は始まっていないからといってこのゴリラにバレずに生きてるかも分からない人を救う困難さに途方に暮れる。結論から言うと伊達さん以外死んでた。絶望した。どないすればええんや工藤。
 出会ってからちょうど1年目の日、体を重ね付き合いらしきものが始まる。私だっていい加減腹括ってる、降谷さんにならいくらでも利用されてやろうじゃないか、というスタンスであり彼女のつもりは一切ない。ところで相変わらず所属は教えてもらえないし特に指示もないが何をどう手伝えばいいんだ? 公安が協力者を得るには時間がかかると聞いたことがあるし、そういうことなのだろうか。はやく信用を勝ち得なければ手伝いさえもできぬのか。
 なんとなく物騒になった世の中をなんとか生きていた。さてどうやって伊達さんを救おうかタイミングわかんねえぞと考えていた矢先、自宅に帰れば何故かいるスパダリ。実は悩んでる間に死んでいた伊達さん。組織への潜入も継続し、どんどん自分で自分が分からなくなってきた失意の果て。非道いことを言う、僕の楔になってくれないかと抱きしめられ、籍をいれたい、全部終わったら迎えにくるから。ああ私は協力者でもなんでもなく彼女だったのか。非道いのは私だよ、最後の1人さえ助けられなかったんだから。あなたが望むのなら紙の上でだけも結婚しようじゃないか、それで生きてくれるなら充分。だから頼むからちゃんと食べて、ちゃんと寝てくれ。
 巻き込みたくない。支えて欲しい。葛藤の末の言葉をなんの躊躇もなく受け入れた主人公が拠り所。そうして始まる1年に何度もくる四季。気づいているのは、私だけ。

 西の高校生探偵に会ったり、旅先で迷宮なしの名探偵に会ったり。とりあえず旧姓で名乗っときますね。

 会ったのは降谷零で、尽くすと決めた相手も降谷零。安室透じゃない。バーボンでもない。ポアロで会おうが、名探偵と同じ空間に居ようが決して「=降谷零」以外の呼び方を口にしない。彼が彼たる楔であるためのポリシー。アイコンタクト、すみません、彼などの呼び方で事足りる。きっと無自覚共依存。繰り返す1年に実はSAN値ピンチな主人公だったりするので、降谷零の支えになるという決意を軸に生きている。



 余談。米花町を認識しなければ、米花町に入らなければ、そしてそこで食事をしなければ数日ブレて混ざった世界線は回復し、夢あるいは勘違いとしていずれ主人公の記憶からうすれていったことでしょう。すなわちヨモツヘグイにより、主人公はこの世界線に閉じ込められることとなる。→旧設定。早々にボツ。

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