▼ ロングリングロングランド編1
・ツナが海賊世界にトリップ
・他の守護者でないかも
・非夢混合小説
以上ご理解の上でお願いします。
***
ツナたちは未来での戦いに勝利し、帰ってきた。
「やっと、だ……」
ツナは1人、自分の部屋で呟いてベッドに倒れ込む。久しぶりの家に安心したのか、そのまま眠りについた。
「釣れた!」
大海原を行く海賊船には船長の声が響いていた。自身より大きな魚を協力して釣り上げたルフィ・ウソップ・チョッパー。
「サンジ! メシ!」
「そうだな、これは……」
「何アレ!?」
顎に手を当てどう料理しようか考えるサンジの声を遮り、ナミが上空を指して叫んだ。そこには黒い影。どんどん近付いてくる。
「あれは……人だ!!」
見張りをしていたゾロが声をあげる。
「えぇぇ!? なんで人が空から落ちてくるんだ!?」
「空島からか!?」
「雲はねぇぞ」
「おい、船に落ちてくるぞ!」
ツナは風を感じ、目を覚ました。
(……空?)
視界に入ったのは雲ひとつない青空。
「えぇぇ!? 何でオレ落ちてんの!?」
下からの声を耳にして体を反転させると、甲板がすぐそこにあり、クルーがこちらを見上げていた。
(ぶつかる……っ!)
ツナはぎゅっとかたく眼を瞑った。
「百花繚乱(シエンフルール)=w蜘蛛の華(スパイダーネット)』」
しかし、何か網のようなものに引っ掛かって減速し、目を開くと腕だった。
「へぶっ」
驚きの声を上げる前に大量の腕は消え、頭から甲板に落ちた。
「いたた……」
ぶつけた頭をさするツナ。その周囲に麦わらの一味集結。
「ここは……?
(もしかしてまた未来ーっ!?)」
「お前今空から降ってきたよな?」
「え、あ、ハイ」
ツナの疑問には答えず、詰め寄るルフィにたじたじのツナ。
「なぁなぁ、お前どっから来たんだ!? あ、空飛べんのか!?」
「あんたはちょっと黙ってなさい!」
ナミの鉄拳でルフィが沈んだ。
「そうね、ここは偉大なる航路(グランドライン)≠フ海上。私はナミ。この船の航海士よ」
「(このひと怖ぇ!)オ、オレは沢田綱吉、通称ツナ、です。あの……グランドライン? って何海ですか? ここがどこなのかさっぱりなんですけど……」
「え?」「はぁ?」「ん?」
きょとんとしたり、眉を顰めたり、各々違った反応をする。
「た、太平洋とか地中海とかあるじゃないですか」
ビクビクしながら言うツナ。
「航海士さん、海図を持ってきた方が早いんじゃないかしら」
「そうね、取ってくるわ」
ナミは船内に消え、戻ってくるまでに他のクルーが自己紹介を始めた。
「えっと……?」
ナミが持ってきた海図を見ても未だきょとんとするツナ。見覚えのある地名も地形も全くないのだ。
「未来の次は異世界だったりして……」
乾いた笑いと共にポツリとこぼす。
「ツナは異世界人なのか!?」
目をキラキラと輝かせるルフィ。
「え、適当に言っただけで……」
「よし、お前おれの仲間になれ!!」
唐突に言う。
「「「ルフィ!!」」」
「は……?」
クルー達の怒号とツナの間抜けな声。
「な、仲間って?(ていうか話全然聞いてない!)」
「一緒に海賊やろう!」
「ひぃっ、か、海賊──!?」
「あら、気付いてなかったの?」
ロビンの視線の先にある海賊旗を見て再び悲鳴を上げる。
(海賊って……! あ、でもマフィアにだってバジルくんとかディーノさんみたいな人だっているし、大丈夫……かな?)
ぎゅっと拳を握って叫んだ。
「行くあてもないし、この船においてください!!」
「しししし!」
ルフィが嬉しそうに笑った。
「はぁ……」
ナミが溜息をつく。
「しょうがないわね、ウチの船長は言い出したら聞かないし」
「だな」
ゾロが賛同し、サンジとウソップとチョッパーがうんうんと頷き、ロビンは微笑んだ。
「ようこそ、麦わらの海賊団へ」
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