▼ ▲ ▼

7月23日。いよいよ明川戦だ。
時刻は9時半だが、気温はぐんぐん上がっている。

『幸子…暑いよ…』
「なによ今更。グラウンドの方が暑いわよ」
『たしかに…よくプレーできてるよなあ』
「ほんと、すごいよね」

そして、10時が近くなった頃、スタンドの熱が徐々に上がってきた。大きな青道コール。 これだけの人に、応援されている。

一回表、2点の先制点を許してしまってからも、青道の攻撃はなかなか得点に繋がらない。 1番の倉持と、2番の小湊先輩の出塁がないことが大きいのかもしれない。

『倉持…』

そして4回、ランナーが出た後、ピッチャー交代。降谷くんから栄純へ。

『春乃、栄純だって!』
「はい!沢村くん、すごい…」

そして栄純はこの回ランナーを出さずに終えた。…いい流れが、青道にきた。

4回裏、純さんからの攻撃。ボール球をレフト線へ運び、二塁打。結城先輩がフォアボールで出塁しノーアウト一・二塁。5番増子先輩がバントで送り、6番御幸。

…こういう場面の御幸は、なにかしてくれそうで、頼もしい。

「同点〜!試合を振り出しに戻すタイムリースリーベース!!」

「やったー同点!!!」
「御幸ィィー!!!!」
『幸子、興奮しすぎ…』
「なによなまえ!これが騒がないでいられますかっての!」

ほんと、野球してるときは頼りになるんだけどなぁ。

そのまま試合は進み、七回裏。相手のエラーもあり倉持が出塁。小湊先輩がバットになんとか球を当て、その間に倉持がホームへ帰還。

『っ倉持!!!』

「おおおお〜2点目!!」
「反則だろあの足!!!」

スタンドの熱も最高潮。これは、やられたなぁ…。

「ちょっと何黙ってんのよなまえ」
『…いや…倉持すごすぎて』
「あの足はやばいよね。って、顔赤すぎじゃない?」
『えっ!?あ、あついからかな…』

幸子がニヤニヤしてる。なんか、やな予感が。

「さては倉持に惚れたの〜?」
『っ、んなわけないでしょ!ただすごいなって思っただけ!』
「どうだか〜」

まだニヤニヤしている幸子に、若干腹立ちながらも、このドキドキは治まる気配がない。

試合は青道がこの回5点をもぎとり、最後はノリがきっちり締め、試合終了。

(野球している彼らは、どうしてあんなにも、)
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -