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いよいよ本戦まで残すところあと少し、部活一色…というわけにはならない。そう、中間テストである。わたしはそこそこ成績はいい方なので、特に焦ったりはしないが…。

「あーやべ、英語の課題終わらねえ」
「俺古典」
『逆に何が終わってんの?』

「「現国」」

…ああ、でしょうね。現国は監督の科目だ。もし課題ができない、赤点をとる、などしたら即レギュラーから外されるだろう。

『君たちの行動が読めすぎて涙が出るよ』
「泣くくらいなら課題うつさせろ」
『いま一瞬でひいたわ』

お昼休み、御幸と倉持が真剣な顔で話し合ってたから、何事か聞いてみればこれだ。

「課題どんくらいできてんの?」
『ほぼ』
「じゃあ見せろよ」
『見返りは?』
「お前この前から見返り求め過ぎじゃね?」
『課題にどれだけ労力使ってると思ってんの』
「あ、そ…じゃあ…」

「逆転ホームラン」

「…ちょっと倉持くん?」
「ヒャハッ、お前ならそのくらいできんだろ」

『………言ったね。はい、男に二言はないよ』

「なまえちゃーん、今の倉持だから」
『いやー、これでうちの勝利が決定したね』
「ヒャハッ、御幸がんばれよー」
「マジか…」

『さて倉持はー?なんかないと見せないよ』
「あー?盗塁きめてやる」

「『それいつもじゃん』」

「……全打席塁に出る……」
『声ちっさ!でも倉持が全打席塁に出たら攻撃力倍増だね』
「まあ無理だろうな笑」
『できたらなんでも奢ってあげるくらいだわー』

「…言ったな?いまの忘れんじゃねーぞ」
『…え?本気にした?』

「さーっていまからバッティングしてくっかな」
『ちょっ倉持!何勝手に決めてんの!』

「なまえ、俺にもくれよー?」
『御幸には言ってない!!』
「倉持〜なに奢らせる〜??」
『人の話をきけ!!!!』

結局2人には課題を見せ、さらに本戦で倉持が全打席塁に出て、御幸が逆転ホームランを打ったら、わたしが何か奢ってあげるということになってしまった。まあ、あの2人がそんなプレイを見せてくれたら、甲子園だって夢じゃないはずだ。

(小さいけれど、これからの約束。)
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