盗撮が犯罪って知ってるか?



「クフフ…いつ見ても格好良いですねぇ…」






毎回のごとく不法侵入をしてきた骸も、料理の時は邪魔してこない
カウンターキッチンの所でガン見してくるときはあるけれど






「ぐっ…この時の僕ナイスすぎでしょう…っ!なんなんですかこの色気は…」

『……………。』






作らなければ文句を言うだろうからと骸の分も含めて作った昼飯も完成し、呼びに来たはいいが…
当の骸はなにやら携帯を握り締めて床に転がっている。見なかったことにして戻りたい





『さっきからなにやってんだ』

「ッ?!」






後ろから気づかれないように近づき、声をかける
いつもなら不意打ちで話し掛けようが近づこうが骸はすぐに気づく
けれど今回は余程自分の世界に入り込んでいたようで、声をかけた途端肩を跳ねさせて一気に距離をとった。携帯を握りしめたまま




「△△、いつから…っ?」

『“いつ見ても格好良い”の辺りから』

「さっきですか…………因みに、携帯の画面は…」

『見てないけど』






見てないということを伝えると、あからさまにホッとした様子
こうもあからさまだと気になるというもので





「え、ちょ…!」






ホッとしたことで隙だらけの骸から携帯を奪う
自分の手元に携帯がなく、俺が画面を見ようとしているのに気づくと、分かりやすいくらいに慌て出した
膝立ち状態でしがみついてくる骸の頭を押し返し携帯を開く






『、なん、だよ…これ…』

「っああぁぁぁ……なんで見てしまうんですか…」

『お前が分かりやすく焦るから』






で、これなんだよ。と画面を向けると気まずげに目を逸らされた
開いた携帯に表示されていたのは画像ファイル
それだけなら黒曜のメンバーの写真かと思えた
が、ファイルにつけられた名前は俺の名前
しかも一つではなく複数
この時点で予想はついたが、恐る恐るそのうちの一つを開いてみれば案の定、俺の写真だった
いくつか表示してみてもその中に俺の視線がカメラを向いてるものはない







『…盗撮が犯罪だって、知ってるか?』






冷めた目で骸を見れば言い訳をしだす
だが許す気はない
全部削除な、と言えば骸は絶望したような顔で固まった

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