12…友人達と過ごす時間は昔も今も居心地が良い。

♪「へへへぃ♪メールだよ!」

↑わかる人にはわかるメールの着信音。
(ヒント・テイルズ)

『……おお!』

メールを確認すると凪からだった。
ついに凪とのデー…ゲフンッ。
私達が出会った公園にクレープ屋があるらしいので一緒に食べよう!…と誘ったらOKがでたのだ。
ここまでくるのに苦労した。
あれ以来メールでやり取りをし、お互いに呼び捨てとなり遂に会う約束まで………あれ?私って怪しい人っぽい。

『違う違う!友達だから!ちゃんとした友達だから!!』
「えっ!?急になに!?」

突然騒ぎだした私の隣で綱吉は驚き一歩離れた。

『…あれ?いたんですか?』
「いたよね!?さっきまで話ながら帰ってたよね!?」
『それはいいとして綱吉!私、今から大事な用事があるので失礼します!また明日!!』
「ちょっ!…ソラ!?………は、速い(汗)」

物凄いスピードで走り去っていく幼馴染みを呆然と見送る綱吉であった。
私はというと早く会いたくて隣町まで人気のない場所を全力疾走し向かった。
バスなどよりこっちの方が速いのだよ!




【隣町の公園】

約束の時間よりも早めに着いてしまった私は木陰で凪を待っていた。
暫くすると小走りで彼女はやって来た。

「ごめんね。…待たせちゃった?」
『まさか!私もさっき来たところですよ。』

凪の私服は白いワンピースを中心にコーディネートされておりメラ可愛い!
THE女の子って感じだ!


※ソラの私服は、動きやすさ重視・スカートはなし・男物という訳ではない…以上です。
ご想像下さい。


『それじゃあ、例のクレープ屋さんに行きますか?』
「うん。…あっ!ソラは大丈夫?…その…今日も日射し強いけど。」
『平気です。ありがとうございます!凪。』
「!…お、大袈裟だよ。」

前回の事もあり心配してくれた事が嬉しくて満面の笑顔でお礼を言ったら凪は赤くなりうつむいてしまった。
……ごめん。めっさ可愛いよ!


私が癒されテンションが上がっている頃、沢田家ではリボーン先生による授業が始まっていた。

「…正解だぞ。お前やれば出来るじゃねぇか。基礎もできているし…ママンの話じゃあ小学校の頃はそんなに悪い成績では無かったそうだな。」
「まあね。…小学校の頃はソラとずっと同じクラスでよく勉強を教えてもらってたんだ。…今は別だけど。」
「つまり、ソラがいなければお前は万年赤点だったのか。」
「ほっとけ!!」

半分拗ねながら問題を解いていく綱吉を見ながらリボーンは名案とばかりに言った。

「…これからはソラも呼んで勉強するか。」ニヤリ
「なっ!?いいわけないだろ!…だいたいソラの家はちょっと遠いんだ。迷惑だよ。」
「…確か町外れの農家だったな。……まぁ、あいつなら大丈夫だ。それはお前の方が良くわかってんだろ?」
「な、なんのことか知らないけど、ソラを巻き込まないでくれよ!」
「はーい。」(棒読み)
「なんて信用できない返事っ!!」ガーン




【クレープ屋】

『クシュッ!』
「風邪?」
『ではないと思います。…まさか、噂されてるのかな?』
「そうかもしれないね。」


そのまさかだと後日、私は知ることになる。







凪とクレープを食べた次の日の午後、私は修行をするために中庭へと出た。
両親は親戚の家に泊まり込みで出掛けており今日は私だけしか家にはいない……筈なのだが。

山「へぇ〜、水野ん家って広いな。時代劇に出てきそうだな♪」
リ「ツナの家とは真逆だな。」
獄「おお!まさにTHE日本って感じっすね。」
綱「ソラの家は昔からの農家なんだ。ここの野菜は美味しいから母さんも取り寄せてるんだよね。」

何故かボンゴレメンバーが【中庭】にいた。
いつから居た?なぜ平然と不法侵入してんの?
頭のなかは彼等へのツッコミでいっぱいになり立ち尽くしているとリボーン君が私に気づき、今更の挨拶をしてきた。

リ「ちゃおっス。遊びに来たぞ。」
獄「…暇潰しに来てやったぞ。」
山「よっ!久しぶりだな!水野。」
綱「あ!……えと、ごめんソラ…お邪魔してます。(汗)」
『……皆さん、お久し振りです。』

とりあえず客室に案内し、飲み物を取りに台所へと向かった。
お茶を用意して戻ると普通にくつろいでいた。
……本当に何しに来たのだろうか。

『お待たせしました。飲み物はお茶しかなかったのですが良いですか?』
綱「いいよ。突然来たのはこっちなんだから気を使わなくても…。」
『はい。……ところで今日はどうしたんです?わざわざこんな所まで。』
リ「お前を知るためだぞ。」ニヤリ

……嫌な予感がする。
リボーン君には悪いが今までの事を考えると彼のこの笑顔の時はろくなことがない。
嫌な汗が流れるなかそれぞれが理由を話していく。

山「そうそう。ファミリーに入ったけど、俺ら水野とはあんま遊んでないからな。」
獄「10代目の部下を知り、把握するのも右腕の役目だからな。」
綱「部下じゃないってば!!」

山本君の言う通り、私は登下校などはよく一緒にしているが遊んだり…プライベートでの関わりは殆どない。
ボンゴレ仲間として交流を深めようとわざわざやって来てくれたのかと思うと嬉しい。
……でも私は最近の子が遊ぶようなゲームは持っていないし漫画もあまりない。

『…具体的に何をするんですか?』
リ「夏休み中の学生が交流を深めるといえば……宿題だ!!」
『なんでそうなるんですか!?』
リ「ツナと山本の宿題が遅れてるんだ。頭の良い獄寺とお前もいれば進むだろ?」
獄「お任せください!」
山「というわけで、よろしくな。」
綱「…よろしく(汗)」

要らぬ心配だったようだ。
私は山本君を担当し綱吉には獄寺君とリボーン君が就いた。
宿題なら何の問題もないと思ったがそうではなかった。
なぜなら……

リ「はずれ。」

ドカーーンッ!!!

『わあああ!部屋がぁ!!』
綱「……お、おれの心配は?(汗)」
山「ははは。相変わらずよくできてんな。」
獄「10代目!大丈夫ですか!?」

問題を間違えるたびにリボーン君特製の爆発物が使われるのだ。既に3回やられた。
他人の家でもこのような勉強をするとは…彼を甘く見すぎていた。
あと、両親が不在で本当に良かった…。

『山本君はあとこの問題だけです。…綱吉もあと1ページ分ですか。』
リ「あんま面白くなかったな。」
綱『「面白くなくていいです/よ!!」』

心底面白くなさそうにするリボーン君。
彼は一体何を期待していたのだろうか。

山「二人とも息ピッタリだな。さすが幼馴染み♪」
獄「幼馴染みは関係ないだろ!偶然だ。偶然!」
『山本君と獄寺君もある意味息ピッタリですよね。コンビ組みます?』
獄「組んでたまるか!組むなら10代目とだ!!」
綱「おれ!?」
『ツッコミは一人で十分ですから…』
リ「それなら大丈夫だ。獄寺はボケ要素も持ってるからな。」
『なるほど。』
綱「納得しないでよ!!」



こんな感じで夕方まで一緒に過ごしていた。
部屋はメチャクチャだが彼等と過ごす時間は昔の……エド達といる時のように楽しくて居心地が良かった。
皆が帰ったあと急いで部屋を錬金術で元通りにし中庭で修行を開始した。

『………………。』

その日はやけに静かで落ち着かなかった。









〜続く〜
※次から原作に戻ります。


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