光闇繋者
捩目山の伝説1
1/2
「さぁ……みんな、いいかな……? それで…」


 清継の言葉に皆が頷く。


「よし…いくぞ!! せーの!!」


 バンッと一斉にカードを出す。瞬間、清継と島の叫び声が響いた。


「ぐああああぁ、また負けたぁぁ」

「くそーーまたリクオと花開院さんの勝ちかよ」

「ちくしょー持ってけよ…賭けたお菓子持っていきゃいいだろー!!」


 ……何をしてるんだろうか、わたしたちは。



捩目山の伝説



 新幹線に乗って、わたしたち清十字怪奇探偵団(わたしはまだ承諾してない)は捩眼山に向かっている途中だ。


「捩眼山伝説…ですか。聞いたことないですね…すみません」

「ふふふ、そりゃーゆらくんが知らないのも無理はない!! 妖怪先生≠フ様なマニアな方々にしか知られてないのだよ!! 今日はそのすごい伝説とやらを聞きに行くんだ!! そのためには、『妖怪の知識』をためなければ!! さあ!! ハイもう一度!! ボクの考えた修業その1…『妖怪ポーカー』をやりまくろうじゃないか!!」

「えーーまだやんのーーー?」

「妖怪の知識ったって、ただのインデアン・ポーカーじゃん」


 巻と鳥居が反論する。
 わたしもポーカー飽きたよ。


「バカ言いたまえ!! このカードはトランプとよく似てるが『絵』とボクの考えた『妖怪パワー』が書いてある!! やっていくうちに…自然と妖怪が身につくすぐれものなのだよ!! ねー島くん!!」

「ハ…ハァ」

「ルールは簡単!! 自分から見えないようにおでこにカードをおいて人の顔色を見ながらカードを交換するか否かを決める」

「やっぱりインディアンポーカーじゃん」


「強い妖怪を持ってる人が勝ち!!」


強い妖怪とはなんぞ?


「引き当てる『運』が必要!! そして!! 空気読む『感覚』こそ最も必要なのだ!!」


 清継のカードを見て鳥居と巻が嫌な顔をする。せーの、と言った瞬間、叫ばれて耳を塞ぎたくなったのはわたしだけじゃないはずだ。とりあえず一斉にカードを出す。


「うわあぁぁぁぁぁぁ。また納豆小僧ぅぅぅ」

「妖怪に詳しいとか関係ないよねコレ」

「弱…」

「あはは…また勝っちゃった」

「わたしも勝っちゃったた……」

「奴良…お前『妖怪運』あるなー…普通じゃねぇぜ。20連勝」

「くそー、たまらん」

「何言ってんの、偶然でしょ」

「そうそう、ボクはフツーフツー!!」


 ちょうど売り子が来た。


「あ、ボク何か買ってくるよ。何がいいか言って」

「え? でも戦績一番悪い人がって」

「いーのいーの!! ボクこーいうの好きだから!!」

「奴良〜、やっぱ良い奴〜。じゃあ冷凍ミカンプリーズ」

「手伝うよ、リッくん」

「うん、ありがとう」


 買ったは良いが買うと意外と多かった。


「リクオ君、ファイト!!」

「わたしには無しか?」

「彼誰ちゃんは力が凄いじゃない」


 こんにゃろー。
 あ、青が族率いて走って来てら。
戻る
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -