光闇繋者
捩目山の伝説1
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「さぁ……みんな、いいかな……? それで…」
清継の言葉に皆が頷く。
「よし…いくぞ!! せーの!!」
バンッと一斉にカードを出す。瞬間、清継と島の叫び声が響いた。
「ぐああああぁ、また負けたぁぁ」
「くそーーまたリクオと花開院さんの勝ちかよ」
「ちくしょー持ってけよ…賭けたお菓子持っていきゃいいだろー!!」
……何をしてるんだろうか、わたしたちは。
捩目山の伝説
新幹線に乗って、わたしたち清十字怪奇探偵団(わたしはまだ承諾してない)は捩眼山に向かっている途中だ。
「捩眼山伝説…ですか。聞いたことないですね…すみません」
「ふふふ、そりゃーゆらくんが知らないのも無理はない!! 妖怪先生≠フ様なマニアな方々にしか知られてないのだよ!! 今日はそのすごい伝説とやらを聞きに行くんだ!! そのためには、『妖怪の知識』をためなければ!! さあ!! ハイもう一度!! ボクの考えた修業その1…『妖怪ポーカー』をやりまくろうじゃないか!!」
「えーーまだやんのーーー?」
「妖怪の知識ったって、ただのインデアン・ポーカーじゃん」
巻と鳥居が反論する。
わたしもポーカー飽きたよ。
「バカ言いたまえ!! このカードはトランプとよく似てるが『絵』とボクの考えた『妖怪パワー』が書いてある!! やっていくうちに…自然と妖怪が身につくすぐれものなのだよ!! ねー島くん!!」
「ハ…ハァ」
「ルールは簡単!! 自分から見えないようにおでこにカードをおいて人の顔色を見ながらカードを交換するか否かを決める」
「やっぱりインディアンポーカーじゃん」
「強い妖怪を持ってる人が勝ち!!」
強い妖怪とはなんぞ?
「引き当てる『運』が必要!! そして!! 空気読む『感覚』こそ最も必要なのだ!!」
清継のカードを見て鳥居と巻が嫌な顔をする。せーの、と言った瞬間、叫ばれて耳を塞ぎたくなったのはわたしだけじゃないはずだ。とりあえず一斉にカードを出す。
「うわあぁぁぁぁぁぁ。また納豆小僧ぅぅぅ」
「妖怪に詳しいとか関係ないよねコレ」
「弱…」
「あはは…また勝っちゃった」
「わたしも勝っちゃったた……」
「奴良…お前『妖怪運』あるなー…普通じゃねぇぜ。20連勝」
「くそー、たまらん」
「何言ってんの、偶然でしょ」
「そうそう、ボクはフツーフツー!!」
ちょうど売り子が来た。
「あ、ボク何か買ってくるよ。何がいいか言って」
「え? でも戦績一番悪い人がって」
「いーのいーの!! ボクこーいうの好きだから!!」
「奴良〜、やっぱ良い奴〜。じゃあ冷凍ミカンプリーズ」
「手伝うよ、リッくん」
「うん、ありがとう」
買ったは良いが買うと意外と多かった。
「リクオ君、ファイト!!」
「わたしには無しか?」
「彼誰ちゃんは力が凄いじゃない」
こんにゃろー。
あ、青が族率いて走って来てら。