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 魂の柔らかいところ  ▽227

 赤い糸のほどき方
虚数iの解法
わたしの胸に開いた傷はあなたの形をしている  ▽920

 君と逝く
初恋を植え替える
誰にも見せない場所の蝶結び
君の交代人格(オルタ)が好きだった
亡国のレジリエンス
待ってよ そんなに簡単に救わないでよ  ▽614

 この夜を今度こそ君の手を繋いだまま抜けられますように
「月が綺麗だね」じゃあその月で今すぐ君が喉を突いて
どこまでも行ける気がした
朝さらばさもあらばあれ
誰かに託された記憶を
同じ記憶を持って
違う祈り方をしていた
そのあてもなく
朝が来たなんて嘘だよ 強く瞑った 君の瞼にてのひらを押し付けた まだ夜を終えないでいようよ 騙された振りを続けて やってみてよ私よりずっと上手いよ 2人で夜の帳を引こう かけ違えないように
取り返しのつかないことを始めたかった
君を呼ぶ魔法 花の名前2回繰り返す

-

花の名(二回繰り返す)君の背中に(春が来ていた)振り返れ(記憶が引いては打ち寄せる)揺れていた(仄かで、淡くて、柔らかく、さりげなく、他愛なく)笑いたかった(砕ける、壊れる)何かが始まる(貴方と一緒に始めたかった)木漏れ日が小さく、鋭くなる(2度と来ないありふれた季節の窓枠を見慣れていく)君といた最後の春が終わる予感(これをさよならの挨拶に代えます)さくら、さくら  ▽614

 許されていた
許したかった
許せなかった
私のための君であったはずだ
過ちに気づく過ち
そして私は制服を脱ぎ捨てた  ▽614

 それを叶えられたのは私だけだったのに
きみのまぶたがあついのはいつだってぼくのせいではなかったのだね
鮮紅をもって贖わせよ
夢から醒めて
売れ残りのブーケトス  ▽613

 逢魔が歌
しでむしがうんだよる
あなたは僕の死兆星
春の湊を君が発つ
蒼穹に降伏せよ
ふたり欠け落ちる  ▽613

 幸せなんかじゃなかったです
あなたが月で待っている
ここで君と暮らしたかった  ▽531

 届かないでくれアイミスユー
届いてくれアイラブユー  ▽603

 黄昏だけが矢を射れる  ▽713

 次に会えたら、忘れ方も教えてね。
約束よ。  ▽205

 いつしか赤さえ忘れ去るとしても
月と落丁
つらぬいてまほろば
嘘にはすこし距離がある
かみさまたちの
糸遊はふりむくことなく
火の海を渡っていく手紙
花にうずもれるあなたを見るのはこれが最後です
まなざしの呪い
これからいくらでも傷つくことができる
綴じこまれた永久
やがて明けない夜となり眠れ
咲くことがない種など蒔かなければよかったのに
もうなんにもいらないの
そちらはどうですか まだ燃えているんでしょうか
面影が焼きつくのに抗わない
あの海を本当に飲み干してしまったんですか
呪いだった言葉が剥がれ落ちていく
あなたと燃えそこなってしまった
これからながく、きっとながく思い出すことはないでしょう
なだらかに落ちていってしまう
砂糖かとおもったら灰でした
そのひとはすくいようがないひとでした
だれかがそう言ってくれる
覚えていてね
今のうちにたくさん泣いておこう
あの夏に続くみちをもう振り返らない
たえがたい感情
そんなやさしいきおくといきていきたかったわけではなかった
夜に探した言葉
あなたの喪失は完璧でした
本当は知らなかったかもしれない
今でもあなたのことをひどい人だと思う時があります。
あなたは私の命日を忘れるべきだったのだ
赤い糸はまだ記憶の栞にせず取っておいてあります
捨てることなどできなかったよ
春に背を向けるひと
待ち合わせの場所 静けさだけが気に入っていた
待っているのだ本当は
窓の外の話はよせよ
失ったものを幸福と呼ぶ
最初からこの日をしつらえていたのだ
やはり横顔が好きでした
いつかはあなたを救わないけど
あなたの背中に爪を立ててみる、そういう夢でした
私たち終わることもできたよね
約束破るべきだったかな
これからおびただしい君のいない春がつづく
それでは物わかりの悪いふりを続けよう
今では煙草の煙でさえ泣く
指輪を付け替える日
ほどき方は教えたよね
優しくないね
煙が曇り空に消えるのをずっと見ていた いつかあなたの雨が降るのかな あなたがいつか私の前で流した涙を僕はまたぬぐわずに濡れているのかな
覚えていたのは僕の意思だよ
花を見て きれいだと思って それで 今日は一度だけ 君の声が聴きたくなった
無理に笑わなくていいよ、といったのは君だったはず
それでも首を振ることができない
あなたの笑顔はもう写真の中でしか見れないと思っていた
片道切符はもう買ってしまったよ
知ろうとしないでね
忘却はあるいは救い
すべてがあなたにつながろうとする
もし戻ったら教えるね
いつか思い出す時のため嫌いだったことを数えておこうとした
ああ泣くの忘れたな
かつては笑えたはずなのに
大人になろうとした私たちはあのころどうしようもなく子供だった 今だって私たちが大人になれないことを知らなかった時とおなじように傷つくことができるのだ
すでに結末を知っている本を捨てることができないのは、たぶんあなたの影響です
花のいろをした瞳を、翳らせてしまうのが好きでした  ▽112

 スタンガンに愛をこめて  ▽902

 孤独を明け渡して いくばくかの夜しか残らなくても 約束は果たせたと 君に胸を張って 僕は眠ろう  ▽831

 私は復讐をする 真夏日にカルピスを薄く作るような 溶けかけのアイスを二人で食べるような 冷たい復讐をする  ▽706

 あなたが永遠にいなくなったくらいで、自分を見失ったりしない だれも私の中からあなたを奪えない 私は完璧なのだ  ▽706

 しあわせにもしもおんどがあるのならきっとあなたのたいおんでしょう  ▽128

 さみしいといえば嘘になります。悲しいといえば嘘になります。黙るしかないのです、わたくしたちは、さみしくてかなしいいきものです。  ▽121


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