昔@


昔の話
※女主は8歳柔は10歳金は5歳

金造side

「ごめんください〜」

この家にはよう、来客が来る。

もちろん祓魔師関係の人や。

今日は遠都のおばちゃんが来たみたいや。

いつもお菓子くれるし大好きや。

柔「遠都のおばちゃんやん。お父は用事ででかけてはるで。」

柔兄が遠都のおばちゃんに話しかける。

「いや、ね。今回は柔造ちゃんに用があるんよ。・・・ほら、隠れんと挨拶しい。」

遠都のおばちゃんの後ろから出てきたんはめっちゃかあええ女の子やった。

俺より背が高いはずなのに、細身で白いし今にも倒れそうな感じでやつれているような気がした。

柔「こんにちはぁ。名前はなんていうん?」

『・・・・』

柔兄は話しかけるが女の子は無反応。

柔「??」

「結空、ちゃんと挨拶せな、友達でけへんよ!」

女の子はびくっと肩を震わせ俯いた。

『別に、友達なんかでけへんでもええもんっ!!』

そう叫んで女の子は走っていった。

俺らは取り残される。

「ごめんねぇ。あんな子で。いろいろあってな、あんななってもうたんや。許してな。」

申し訳なさそうな顔で謝る遠都おばちゃん。

べつにええですよ。と柔兄はいいながら少し行って来ますといい、女の子が走っていった方向へ行ってしまった。

残された俺に遠都あばちゃんはもってきていたらしいお菓子をくれた。

今日はせんべいやった。いつも通りおいしかった。

食べ終わる頃にどうやらお父が帰ってきたらしく、遠都おばちゃんと話していた。

何を話しているのかはそのとき分かりもしなかった。(お菓子を食べるのに夢中で)


――夕方


遠都おばちゃんが来てから3時間ぐらい。

午後6時くらいになって柔兄は帰ってきた。

あの、女の子といっしょに。

たしか、結空といったっけ。

「柔造ちゃんごめんねぇ。結空、仲良くなったん?」

『・・・・』

相変わらず結空ちゃんは無愛想な顔で俯いている。

でも、手は柔兄ときっちりつながれていた。

八「おぉ、君が結空ちゃんやね?これからよろしゅうな。」

なでなでと結空ちゃんの頭をお父がなでる。

結空ちゃんは緊張していた顔が少し緩んだきがした。




―――>

「結空ちゃんはお箸持てん?こう、持つんやで。」

俺は10歳。結空は13歳。

もう中学生だと言うのに箸をまともにもてない結空。

金「だっせぇなぁ、結空。箸も持てへんの?」

俺はばかにしたように言ってみる。

これは冗談。

本気で言ったわけではない。

なのに、

廉「結空姉、泣いとるん?大丈夫ー?」

5歳の廉造に慰められたのがまた傷ついたのか涙目だ。

ボコッと一発柔兄に殴られた。

金「いったいわっ!!柔兄!!!なぐんなやっ。」

柔「金造、結空に謝りいやっ!!」

本気やったとおもうで。

めっちゃ痛かったもん。

『・・・』

無言で立ち上がりまだご飯が残っている自分の皿の乗ったお盆を台所に運びに行く結空。

すごく悲しそうな顔しとった。

あーあ、と柔兄と廉造。

俺、めっちゃ悪者やん。

てか追い討ちかけたん廉造やろ・・・

ご飯を食べ終わった後結空の部屋の前を通った。

もちろん謝るためや。

でも、素直になれんくて部屋の前うろちょろしたりしてた。

ドアに聞き耳たててみたりした。

すると中から泣き声が。

『ぇ、、、ぐっ、ひっく・・・・』

すっごい泣いとる。

声を押し殺しとるけど、全然意味ない。

そう思うと体がかってに動いていた。

金「ゆゆゆ、結空っ!!!」

『っ!』

びくっと布団に顔をうずめていた結空がこちらを見る。

目は赤く充血している。

顔もほのかに赤い。

金「あ、その・・・・・な」

『・・・・・っ』

結空はまた顔をうずめてしまった。

金「結空っ!!・・・・・ご、ごめん」

思い切っていってみたが、反応なし。

金「結空??」

『・・・・出てって』

金「なっ!?」

追い出された。

かなり怒ってるっぽく、赤い目で睨まれた。


 あれだけのことで怒らんでええやん。

仕方なく自分の部屋に戻った。