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「できるのか?」
からかうように問い掛けてきた男の股間に手を滑らせて、雪矢は逞しく勃起してスラックスを押し上げる佐竹の雄の部分をキュッと握った。
「っ!」
細い指に触れられた瞬間、ピクリと震えて更に硬さを増したペニスの形を確かめるように撫で上げ、自信たっぷりに頷く。
「できますよ。俺だって男なんだから、佐竹さんがどうやったら感じるかは分かります」
男である佐竹に惚れたからといって、自分が男らしくなくなる訳ではない。古森もそう言っていた。
むしろ、男同士だからこそ、たまには雪矢が未熟な牙を剥いて佐竹を襲うことがあってもいいはずだ。
普段なら絶対にこんな大胆な行動に出たりしない雪矢が一生懸命自分をリードしようとしていることが伝わったのか、熱に潤んだ大きな瞳を愛おしげに見上げた佐竹は、特に抵抗しようともせず、雪矢の柔らかい頬を優しく撫でて笑った。
「それじゃ、お手並み拝見だな」
「おとなしく、いい子にしてて下さいね」
「無理するんじゃねえぞ」
無理なんて、していない。
全身が溶けそうに熱くて、今すぐ佐竹が欲しいのだ。
沸き上がる雄の本能のままに雪矢は佐竹のスラックスの前を寛げ、包帯の巻かれた手で苦戦しながら下着を引き下ろした。
「すごい、……勃ってる」
「そりゃあな、この状況で勃たねえほど俺はまだ枯れてねえよ」
佐竹の言葉通り、黒々とした茂みから逞しく勃ち上がる太いペニスは腹につきそうなほど勢いよく反り返って、竿に血管を浮かび上がらせている。
体勢を入れ替え、佐竹の顔を跨いで四つん這いになるようにして目の前にそそり立つ雄茎に顔を近付けると、グロテスクな血管が脈打って佐竹のモノが微かに震えた。
ひと暴れした後なので汗をかいていたのか、鼻先をかすめる雄の匂いが以前感じたものよりも濃い気がする。
雪矢が子犬のようにスンスンと鼻を近付けて、そそり立った逞しいモノを観察していると、さすがに堪えられなくなったのか、佐竹が尻を軽く叩いてきた。
「こら、いたずら坊主。あまり焦らすと俺が襲うぞ」
「だめです」
せっかくやる気満々になっているのに、ここで佐竹にリードを奪われる訳にはいかない。
怪我をしていない左手で反り返ったペニスの根本を支えると、雪矢はその先端をぱっくりと口に含んで、張り出した亀頭を舌先で舐め回した。
「ふ……っ、うん、ん」
「――ッ」
ドクン、という大きな脈動とともに、これ以上は成長しないだろうと思っていた佐竹のモノが更に膨張して、口の中に苦い雄の味が広がっていく。
濃い先走りの汁をこぼす鈴口を丁寧に舐めとって、カリ首の辺りをチロチロと責めると、佐竹が熱い吐息を漏らしたのが分かった。
「いいぞ、雪矢。上手だ」
「あ……っ」
優しくねぎらうように尻を撫でられて、それだけのことなのに、全身に広がっていく快感の波に雪矢は背中を反らして甘い声をあげた。
「お尻、触っちゃダメです」
「休むな。まだ続けてくれるんだろう?」
「だって、佐竹さんがえっちなこと、するから……やぁあっ」
デニムの布地越しに尻を撫で回していた手が、不埒な動きで足の間を撫で上げ、硬く勃起した雪矢のモノを微妙な力加減で擦ってくる。
「だ、ダメですってば」
「そんな生殺しに耐えられるか」
「や……、あぁッ、擦らないで、下さいっ」
「ほら、雪矢。お前のいたずらはもう終わりか」
「んん、い……じわる……っ!」
今までのように佐竹の巧みなテクニックに流されてしまいそうな自分が悔しくて、何とか主導権を握り返そうと、赤黒い先端を蜜に濡らしたペニスに舌を這わせて太い幹を舐め上げると、さすがに佐竹も息を詰める。
ピチャピチャと卑猥な音をたて、夢中になっておしゃぶりを続けているうちに、雪矢はいつの間にか自分が下着ごとジーンズを引き下ろされ、佐竹の眼前に恥ずかしい部分を晒して四つん這いになるというとんでもなく恥ずかしい格好にされていることに気が付いた。
ハッとして振り返ると、寝そべったまま雪矢の白い尻を見上げていた佐竹がいやらしく笑って目の前の尻を軽く揉んでくる。
「んッ、佐竹さんのエロおやじ……!」
「誰がオヤジだ」
「ひ、ぁッ」
思わず口をついて出た悪態をたしなめるように、元気よく勃起したペニスを指先でぷるんっと弾かれて、雪矢は真っ白な尻を揺らした。
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