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「すごい……」

 医務室でのあの時は夢か現実かも分からないまま行為に突入しちゃったからその部分をじっくり眺める機会がなかったけど、今改めて見ると、北山さんのペニスは標準以上に太くて大きい。
 大柄で逞しい身体に見合っているというか、濃い茂みから勃ち上がったソレは、まさに雄の象徴と呼ぶのにふさわしい立派なモノだった。

 ……本当にこんなモノが俺の身体に入っていたんだろうか。
 今更だけど、何だか信じられない。

「大きい……北山さんの」

 先端からぷっくりと溢れる蜜の雄臭に吸い寄せられるように、身体を起こして北山さんの股間へと顔を近づけると、唇が幹に触れるギリギリのところで伸びてきた手に接近を阻まれてしまった。

「舐めちゃ、ダメですか」
「っ」

 そんなに上手くないかもしれないけど、俺の精一杯のテクで北山さんのモノを舐めて感じさせたい。
 ずっと前から何度も想像していたことを実現させたくて、上目づかいでおねだりした瞬間、すぐ目の前にある極太のペニスが生き物のようにピクンと跳ねて、溢れ出た透明の汁が竿を伝って落ちるのが見えた。

「して欲しくねえって言ったら嘘になるが……それは今度頼む」
「今は、ダメ?」
「今日は、お前の中に挿れさせてくれ。俺ももう我慢の限界だ」

 やっぱり、北山さんは意地悪だ。

 照れた顔までセクシーで。俺が北山さんの声に弱いのを知っていて、とっておきの甘い声で低く囁いてくるなんて。
 そんなことを言われたら、俺だって早く北山さんが欲しくて堪らなくなる。

 俺も北山さんに何かしたいのに、と拗ねる気持ちを汲んでくれたのか、発情した獣の匂いを放ちながらあやすように俺の髪を撫でた恋人は、ベッド脇に用意してあったゴムの袋を渡してきた。

「仕事だ、坊主」
「え?」
「着け方くらい分かるだろ」

 そう言って目の前に堂々と突き出された、完勃ちの赤黒いペニス。

 これはもしかして、俺が北山さんのモノにコレを着けるということだろうか。

「どうした? まさか使い方を知らねえのか」
「し、知ってますよ、そのくらい!」

 舐めるのはダメだと断られてしまったけど、この重要な作業を任せてもらえるのは少し嬉しいかもしれない。

 俺は、北山さんの気が変わらないうちにと急いで袋の封を切って、反り返った逞しい幹に手を添え、先端にそっとゴムをあてがった。

 ゆっくり慎重に。ソレを被せていく俺の手に、浮き上がった血管の力強い脈動が伝わってくる。

「すごい、熱い……」
「っ、こら、イタズラするんじゃねえ」

 根本までしっかりゴムを被せ、何となく触ってみたくなって、太い幹の下で存在感を放つ黒ずんだ玉を揉み込んでみると、見事に引き締まった腹筋が微かに震えて、お叱りの声が飛んできた。

「まったく。とんでもねえ小悪魔だな、お前は」
「んっ、や、あ」

 あっという間に、形勢逆転。
 再び身体を押し倒され、噛みつくような荒々しいキスと同時に、さっきまで弄り倒されて真っ赤になった乳首を軽く抓られる。

「う、んんッ!」

 北山さんのモノにゴムを被せる作業だけですっかり興奮してしまって、俺のモノは竿の先端から根本まで恥ずかしいくらいぐっしょりと先走りの汁に濡れていた。

「い……やらしい俺は、嫌いですか」

 こんな風に勃起したペニスをいやらしく濡らして、自分からおねだりして。
 可愛い女の子でも何でもない男がサカって、気持ち悪いと引かれたりしたらどうしよう。

 不安になって訊いてみると、北山さんは笑って、今までで一番優しいキスをくれた。

「嫌いになるわけがねえだろ。むしろ、大歓迎だ」

 普段無愛想な男前が、多分俺にだけ見せてくれる甘い笑顔に、身体がじんわり熱くなる。

「北山さん……」
「挿れるぞ。力を抜け」

 嬉しくて、覆い被さった身体の背中に手を回すと、珍しく余裕のない声と共に丁寧にほぐされて柔らかくなった穴に熱いモノの先端がピッタリ当てられて。
 次の瞬間、北山さんがゆっくりと腰を進めてきた。



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