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 今まで言葉に出来なかった思いを全部ぶつけたくて、呼吸をする間も惜しむように何度も角度を変えて激しいキスを続ける。

 しばらくの間長いキスに付き合ってくれていた新堂は、くったりと力の抜けた身体を俺の腕に任せて、熱い吐息混じりにギブアップの一言を囁いた。

「寒いっすよ、……先輩」
「ん」
「中、入れてくれないんすか」
「んー……」

 言われてみれば、この極寒の猛吹雪の中、アパートの廊下で抱き合ってキスに没頭するなんて命懸けの危険行為だ。
 下半身に熱が集まって、お互いに吐く息は熱くなっていたが、触れ合う頬は氷のように冷たくなっていた。

 今すぐ部屋の中に招き入れて冷えた身体をシャワーで温めてやりたい気持ちを抑え、耳元でそっと囁く。

「部屋に入ったら……今夜は最後まで抱くぞ」
「っ!」
「言っただろ、お前が欲しいって。もう、扱き合いとかそんなんじゃ全然足りねえんだ」

 初恋とは言っても、健全な成年男子としてはヤるべき事はヤりたい。
 濃厚なキスで下半身は既に臨戦態勢に突入していて、今新堂を部屋に入れたら、絶対に俺はオスの獣と化して欲望のままに新堂の身体を求めてしまうだろうと分かっていたから。

 本当に大切な相手を無理矢理抱くような事はしたくなくて、嫌ならそのまま自分の部屋に戻るという逃げ場を与えるつもりでそう言うと、可愛い初恋相手はギュッと俺の身体を抱き返し、雪に消されそうに小さな声で呟いた。

「俺は、そのつもりで帰って来たんですけど」

 小さな、小さな一言。

 それは、俺にとって何より嬉しいクリスマスプレゼントだった。


○●○


 シャワーを浴びながらの抜き合いは、初めてではない。
 新堂が風呂に入っている所に乱入して、「身体を洗ってやる」とか何とか言いながら男にとって一番大事な一部分だけをやたら入念に洗ってイカせた事だって、何度もあるのに。

「う、あッ、トビシマさん、しつこ過ぎ……っ」
「気持ちイイ?」
「ああぁッ!」

 今夜は、新堂も俺も感じ方がいつもとは全然違って、狭い風呂場にはシャワーの音に混じった卑猥な水音と獣の喘ぎ声が響き続けていた。

「乳首だけでこんなに感じてたら、最後までもたねえじゃん」
「やっ、もう……乳首はいいですって! あ、んんッ」
「触ってねーのに、チンコも勃ちまくりだし」
「いッ、ああッ」

 向かい合って立ち、壁にもたれ掛かった新堂の身体を俺が洗ってやるといういつもの洗いっこプレイ。

 ボディーソープの泡とぬめりに包まれた筋肉質な身体の、胸についた小さな突起をクリクリと弄ってやるだけで、新堂の顔が色っぽく歪んで腰が揺れて。
 まだ直接触れていないはずのペニスは、既に腹につきそうなほど逞しくそそり立ち、いやらしい汁が溢れる真っ赤な亀頭の小さな割れ目をパクパクさせていた。

「新堂が乳首だけでこんなに感じるなんて知らなかった」
「ちがっ、あ……ぁッ」
「違わない」

 今まで知らなかった嬉しい発見に、調子に乗って乳首を弄り続ける。
 もどかしい快感に堪えられなくなったらしい新堂が自分のモノに手を伸ばし太い幹を根本から扱き始めた。

「何だよ、自分でイッちゃう気か」
「んっ、ん……あッ」

 ピクピクと、微かに震える身体と色っぽい声が堪らない。
 骨張った指が血管の浮いた竿をリズミカルに扱き上げる度に、先端からトロリと溢れた蜜が糸を引くようにして風呂場の床に落ちていく。

「は、あ、……っ」
「すっげ、俺に乳首弄られながらオナる新堂って、最高にエロい」
「……ッ、悪趣味、ですよ」
「自分でシたくなかったら、俺に“触って”っておねだりしろよ」



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