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「俺っ!寺田さん以外に勃たないんです!」

課の飲み会の帰り、ベロベロに酔った長谷を仕方なく俺の家に連れ帰ったその日。
突然俺をソファーに押し倒してアイツが言った言葉がコレだった。

「そりゃあ…若いのに気の毒な話だな…」

“寺田さん以外に”という部分は敢えて聞き流した。

長谷は勃起障害で悩んでいるんだ。
社内の女性陣に人気の爽やか好青年が、気の毒に。

と、思おうとしたが無理だった。

「…で…、どこが勃たねぇって?」

押し倒した俺の上にのしかかる長谷のナニがガチガチに硬くなっているのが、押し付けられた感触で嫌でも分かってしまったからだ。

「だから、俺、寺田さん以外の人にはインポなんです!寺田さんオカズにだったら何回でも抜けるのにっ」
「…へぇ…」

そんな事言われたってな。全然嬉しくねぇよ。ヒトを勝手にオカズにしやがって。

押し付けられたソレの硬さに、長谷が今引くに引けないところまで来ているのを察して、なるべく奴を刺激しないようにゆっくり言い聞かせる。

「あのな、長谷。確かに俺は男でもイケるが、突っ込む側専門なんだ。お前に突っ込まれる気はサラッサラねぇからな」

まさかこの俺が、自分より一回りも年下の部下に押し倒される日がくるとは思わなかった。

しかも、今風の若者らしくどこか中性的な柔らかい印象の顔で、筋肉質とはいえ、俺よりずっと細い身体つきの長谷に、だ。

何となく同じ匂いを感じてはいたが、ネコだとばかり思っていた。

長谷が俺を押し倒している構図は、年齢的にも体格的にも、明らかに違和感がある。

「入れさせてくれなんて言いません!…寺田さんの、触って、俺もイッてもいいですか…」

酔いが回っているのか、俺を見下ろす目が赤くなって潤んでいる。

今のこの体勢には甚だ納得いかないが、切羽詰まった表情で真剣に訴える長谷を無下には出来なかった。

「…間違っても突っ込もうなんて、考えんじゃねぇぞ」

ため息ひとつついて全身の力を抜いてやると、泣いてるのか笑ってるのかよく分からない顔をして、長谷が覆いかぶさってきた。





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