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SS:超自己満(MW学パロでほわいとでー


2012/03/14

「よっ」

「こんにちは」

校門を出ると、うざ……爽やかに笑みを浮かべて片手を挙げ、声を掛けてくる奴らがいた。

「稀祐と翔駿」

「……それじゃ、サヨウナラ」

後ろから付いてきていた紗陽が立ち止まる。
俺はさっさと家路を急ぐ。が、思いっ切り肩を掴まれて阻まれた。

「まあそう逃げんなって」

「アンタ達といると、ろくなことがないから」

「それは、心外ですね。今の言葉で俺のガラスのハートは粉々です。損害賠償請求したいくらいに」

ああ、コイツ……明澪翔駿。コイツこそが災厄の源だ。
相変わらずの爽やかな笑顔に寒気がする。ただでさえ寒いのに。

「二人共どうしたの?学校に用事?」

紗陽が首を傾げた。

「いや、お前に用事。ほらこれ、バレンタインのお返しだ」

「俺も同じ目的で」

稀祐、翔駿の順でラッピングされた箱を手渡す。
受け取ってしばらくしてから紗陽は『ああ』と頷いた。やっと今日がホワイトデーだと思い出したようだ。

「わざわざ渡しに来てくれたの?」

「善は急げってな。ついでに家まで送ってやるよ。コイツの車で」

そう言って指さす先には翔駿がいる。

「構いませんよ。それじゃ、稀祐さんさようなら。お疲れ様でした」

「四人なんだから乗れんだろうが」

「ここまで乗ってきておいて帰りも乗るんですか?まったく図々しい人ですね。紗陽さん、こんな大人にはなってはいけませんよ」

「うん?分かった」

「肯定すんなっ!いいか、紗陽。こういう大人にこそなるなよ。人をバカにして楽しんでるんだからな、コイツは」

「誰ですか、そんな酷いことをする輩は」

「お前だよ、お前っ!」

この人らは、これで仲がいいのだろうか。
翔駿の方が稀祐より年下なのに、稀祐よりも余裕がある。情けない。

「嫌ですね、稀祐さんが喧しいから学生達の注目の的じゃないですか。さ、紗陽さん、俺達は先に帰りましょうか」

「……注目されてんのを利用して、今ここで人攫いだと叫んでもいいんだが」

「ああ……やっぱり稀祐さんは紗陽さんを誘拐してたんですか。薄々気付いてはいましたが」

「お前のことだボケ!」

「紗陽さん、稀祐さんの為にも一度はっきり言ってやるべきですよ。『このロリコンが!』って」

「?よく分かんないけど、分かった。……このろりこんがー」

「違う。断じて違う。お前もよく分かってないなら言うなっ」

寒空の下だっていうのに元気のある大人達だ。
俺はもうじっとしているのが辛い。風邪を引いても困るし、こっそり帰ることにする。

ポケットに手を突っ込むと、紗陽に渡すつもりだったクッキーの箱に触れた。
完全にタイミングを逃した。間違いなく大人げない大人達のせいだ。

「明日渡せばいいか……」

今から戻って奴らの輪の中に入り知り合いだと思われるのも恥なので、振り返らずに足を速めた。
背後では、未だに喧騒が止まないでいた。





モチベーションが下がって、上がらずに困ってるので「好きなことしよう!」と思い立った結果がこれ(ノ∀`)
しかもモチベが上がったかって言うと……うん……
いや頑張ります。頑張ってます。

稀祐は翔駿がいると三枚目に成り下がる可哀想な主人公(笑
凛玖も出したかったけど……まいっか☆ミ

管理人は紗陽と翔駿がお気に入り。


 



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