07


更に近づいてくる沖田を銀時は静かに受け入れる。
唇に触れてくるかと思った沖田の舌が、銀時の頬に付いている溶けたソフトクリームをペロペロと舐め取った。
その赤い舌を見て、銀時は沖田の腰を強く引き寄せる。

「男を煽るの上手いよねぇ。どこで覚えてくんの?」
「知りやせん。旦那が簡単なだけなんじゃないんですかィ」

銀時を唆すようなことをしておいて、飄々と憎まれ口を叩く沖田の口を塞いだ。
薄く開いている口に、舌をねじ込む。上も下も舐めてから、沖田の舌に軽く歯を立てた。
びくんと震える体を逃げないようにしっかり抱くと、遠くから沖田を呼ぶ声が聞こえてきた。

「──総悟……!」

土方が沖田を捜し回っているらしい。
銀時は沖田から離れると、先ほどよりもずっと火照りを帯びた顔を見た。

「明日、うちにおいで」





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「ったく、どこ行きやがった」

あの銀髪と沖田が二人でいると考えるだけで、土方は気が気じゃない。
銀時は土方にちょっかいをかけてくるような男だし、今の沖田の見た目はとにかく危険なのだ。いつ銀時が襲ってもおかしくないかもしれない。

「どこだっ、総悟!」
「……何ですかィ」
「総悟! 大丈夫か?」

細い通りから沖田がひょっこりと姿を現した。銀時の姿は見当たらない。
安心したのもつかの間、沖田の様子を見て、土方の眉間に皺が寄る。

「総悟、万事屋と何かあったのか?」
「別に、何もありゃしやせんぜ」
「何かされたんじゃねえよな?」

よく見えるようにと、土方は沖田の小さな顎を掴んで顔を上げさせる。
罵詈雑言が飛び出る唇が、今は赤く色付いていた。

「ちゅーでもするつもりですかィ、土方さん」
「ッバ、な、何言ってやがる!」

沖田に言われてパッと手を離した土方は、沖田から距離を取る。
それからタバコに手を伸ばしかけるが、沖田を見て途中で止めた。

「帰るぞ、総悟。……で、万事屋とは何にもなかったんだろうな」
「しつこいですぜ」
「う、そうか」

沖田が逃げないように手でも掴んで帰りたかったが、さすがにそれはやめておいた。


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[mokuji]

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