(…あったかい。)
ココアを一口飲んで、ほっと息を吐く。
冬でも夏でも、ココアはあったかい。
残り一口分のココアを飲み干して、隣に目を向ける。
『…良く寝てるなぁ。』
「………くー……。」
『疲れてる、よね。』
そっと頬に触れてみると、眠っているせいか少しだけ熱い。
あたしの手が冷たいのか、少し眉を寄せた。
ゆっくりと手を離して、ココアのおかわりでも取りに行こうと立ち上がると、少しだけ下にくんっと引っ張られる。
「ん…みずき、…どっか、行くの…?」
『あ、悠起こしちゃった?ココアのおかわりでも取りに行こうかなって。』
「大丈夫、…ココア?」
『うん、悠も飲む?』
「……飲む。」
くぁーって変な欠伸をしながら起き上がる悠。
目尻のたまった涙を少しこすると、目が覚め始めたのか、気持ちよさそうに伸びをしている。
少しだけ寝癖がついているのが、少し面白い。
「なんかみずき、甘いにおいがする!」
『ココア飲んでたからね。』
「んー…あっ!」
何を思いついたのか、突然いたずらっ子のような笑みをする悠。
刹那、腕を引っ張られた。
少しだけ感じたのは、唇に一瞬だけ触れた暖かさ。
『な…、なっ!』
「へへっ、やっぱ甘いな!」
『え、え…?』
「みずきーココア、俺の分もーっ。」
『〜…っ、ばかっ、悠の分なんて、持ってきてあげない!』
恥ずかしくて、マグカップを掴んで部屋を出てしまった。
恥ずかしさを忘れたくて首を左右に振ってから、キッチンでお湯を沸かす。
(…やっぱり、作ってあげよう。)
食器棚からひとつマグカップを出すと、自分のと並べてココアの素を入れる。
色違いのマグカップに少し愛しさを覚えながら、お湯を入れてマドラーでくるくるかきまわす。
出来上がったココアを持って行けば、あたしがふたつ持ってくるのがわかっていたのか、すぐにドアをあけてくれた。
「作らないんじゃなかったのー?」
『き、気が変わったの!』
「へへっ…みずきのそーゆーとこ、すっげぇ好き!」
純情ココア
(あったかいのはきっと)
(ココアのせいだけじゃない)
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まずは、企画参加ありがとうございました!
そして甘々してなくてすみません…っ(地面が割れるほどの土下座をあなたに)
なんでしょうかね、これ、ほのぼの系だし絡み少ないし!
田島偽者ばんざーい(…)
ヒロイン一人語りみたいになって…あああ、言ってて悲しくなってきた…orz
こここ、こんな感じになってしまいましたが、よかったらお持ち帰りください。
リクエスト、ありがとうございました!
ちう様のみ、返品苦情お持ち帰り可能です。