私の願いを聞いて

明日に迫った七夕。
街は笹に短冊でいっぱい
私もちゃっかり駅にある
短冊に願いを書いた。
願い事は秘密、まあ恋に
関してだけど。


「あ、」


駅を通るたびに私の
短冊を見つける。見ては
恥ずかしくなる、それの
繰り返し。


「・・・どうか叶いますように」


そっと目を閉じて
再び短冊を見ると
隣には、見慣れた
文字が書かれていた。
それが泉だとすぐに
分かった。


「・・・っ」
「なんだ、見つけちまったのか」
「い、ずみ」


短冊に書かれた言葉に
驚いたけど、目の前に
現れた泉にも驚いて声
が震えた。それと同時
に体温が上昇する。


「お前の隣にいれますように」
「いれ、るよ」
「なんでだー?」


ニンマリして泉は
私を見つめる。分かって
てするから泉は意地悪な
んだ。というかズルいんだ。


「泉の傍にいれますように」
「よく出来ました。」


満足そうに笑って頭を
撫でる泉に私の心臓は
うるさくなる一方だった



私の願いを聞いて


(そんな顔してっと、)
(ちゅーすんぞ!)
(えっ!)

20110706.
ハナビシソウ
花言葉:私の願いを聞いて










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