花火



「花火やりたかったんだー」
「そりゃ、良かった」


ろうそくに火をつける泉
私は花火を開けて取り出す

なんで花火をやることになったかというと
数分前、突然家に泉がやってきて花火を見せるとやんぞ!と連れだされたのだった


「泉どれからやる?」
「どれでもいーよ」


そう言われたので、目の前にあった
花火を手渡すとさっそく火をつけ始める


「お、結構勢いあんのな」
「キレー」
「見惚れてねーで、花火やれ」


ぺちっと軽く頭を叩かれる
別に泉なんかに見惚れてないもん!と言い返すと
俺は花火にって言ったつもりなんだけど、とニンマリされた

お互い顔が赤く見えるのは
泉が赤い花火をやってるからだよね

そう思って私も花火に火をつける


「あ、すごい」


赤から始まって紫で変わる
色んな色が楽しめる花火だった


「・・・」
「ん、どしたの?」
「いや、」
「そう」


泉は線香花火をやったまま
私を見て曖昧な返事をするだけだった


「変な泉」
「変じゃねえ、あっ」


じゅっと音をたて
線香花火が落ちた



花火


(あーあ、泉が叫ぶから)
(・・・)
(見惚れてたなんて)
(言えねえ)


20100803.











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