おお振り(短編) | ナノ







バイト中に突然襲ってきた
地震いつものように震度3
くらいだろうと地下で
切り花の整理を続けた


「わっ!」


すぐに揺れは止まると
思っていたのに大きく
なる一方逃げたいのに
足が動かなく震える

一階から私を呼ぶ声がして
恐さを殺して手に持っていた
物を放り投げ、一階に走った


「早くここに入りなさい!」


半泣きになりながら
机の下に滑り込んだ
同時に両親と結婚間近
の彼が頭に過ぎった
泣いてる場合じゃないと
携帯を急いで取り出し
両親には通じて、
彼には通じなかった


「混んでるのは、
わかってるけど!」


何度もかかれと唱えて
かけ直すその繰り返し
しょうがないとパニック
になってる自分を落ち
着かせ今は彼の安否を
祈ることだ


「!」


とりあえずお客様の
誘導しようと携帯を
しまおうとしたら
彼から電話がかかる


「よしろー?!!」
「よかった、無事
なんだな」
「う、ん・・・」
「また来るかもしんないから
携帯通話のまま閉じとけな」


「・・・わかった」


彼の声を聞いた瞬間
一気に涙が溢れ出た


「大丈夫、絶対また
笑って過ごせるから」
「うん!」


そう言って通話中の
まま携帯をしまった



大丈夫


(落ち着いて)
(今すべきことがある)

20110312.
0311にあったことを
忘れないように。
今後も余震にお気をつけて






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