おお振り(短編) | ナノ







夏に付き合い始めたばかりの
ほやほや。まだ周りに初々しい
とか言われていじられている。
もうすぐ2か月だってのに、その
いじりは収まる気配はない。

クラスのやつらからいじられる
のがいやでいつも屋上に逃げる。
今日もそうやって逃げてきた。
先に来ていた彼女が俺に笑いかけて
きて朝から胸がきゅんとして、
胸をおさえる。


「あ、おはよ。いずみん」
「ん。」


まただよ、名前で呼べっていったのに
恥ずかしがってなかなか呼んでくれない。
今度呼ばれたら返事しねえ。
・・・それにしても。


「おりゃ、」
「わわ、」


近づくとふわりとシャンプーの良い
香りがする。最近は髪を触りたくて
でもなんか恥ずかしいからその髪を
ぐしゃぐしゃにする。


「っぷ」
「もー!最近ずっといじめるよねっ」
「ちげーよ!」
「なにが違うのー」
「いじめてるんじゃないよ、可愛がってんの。」


俺がそう言うとコイツの動きが止まって、
ほんのり頬が染まる。

ああ、そういう反応するから
いじりたくなんだよ。



可愛がってんの。


(次はその柔らかそうな)
(頬に触れたい。)

20121030.
リハビリにいずみん。
一か月振りですね。







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