急遽仕事が休みになった彼女が 突然俺ん家にやってきてDVD一緒 に見ようなんてにこにこと笑いながら ずかずかと俺の部屋に入り込む。 まったく、相変わらずだなお前は。 喉まで出かけたその言葉を閉じ込め 小さくため息をついて彼女の隣に座る。
「・・・久々に会ったんだからなんかねーのかよ」 「・・・ん、なんか言った?こーちゃん。」 「なんでもねーよ。」
不満気に言った俺の言葉は彼女には 届いておらず。イラっときて彼女の頬を つまみふにふにしていると、ほんのり染まる。
「あんまほっぺつままないでー」 「なに、お前キンチョーしてんの?」 「な、久々に会うからドキドキしてるなんて言えない!」 「声に出てるっつーの・・・っぷ」
笑わないでよ!とぽかぽかと俺の胸を叩く。 痛くも痒くもない。はいはいと細い腕を掴む と大人しく借りてきたDVDを見始める彼女。
「あのさー・・・そろそろ一緒に暮・・・」 「・・・・・・」
DVDの中盤辺りで話かけると肩が重く なり隣を見ると、いつの間にか距離が近く て、しかも俺にくっついて寝てやがる。
「まったく、」 「んんん!」
大事な話しようとしてたのに、お前なあ。 結構言うの勇気いるんだからな。と耳元で 言うと身をよじる。起きないので今度は鼻 をつまみ、俺の口で彼女の口を塞いだ。
「ん、んん、死んじゃう・・・。」 「お前がいけねーんだよ、ばーか。」 「ん、」
眠り姫
(俺のキスで起きないのかよ) (まあ、かわいいけど)
20120607.
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