おお振り(短編) | ナノ








最近気になってしょうがない
奴がいるでも、そいつは9組に
来てはいつも田島と楽しそうに
話しているのを良く見る。本当
仲良いよなアイツら。つか、い
つの間にそんな仲良くなったん
だよ。


「この間貸した漫画どーだった!?」
「凄く面白かったよっ」
「んじゃあ、続き貸すな!」


そんな会話を聞きつつ平然としよう
と頬杖ついて窓の外を見ながら眠そ
うにしてみたげど、やっぱり気にな
って田島たちを見るとアイツと目が
合う。でも、すぐに逸らされてしま
って田島から借りた漫画で口元を隠
した。俺、嫌われてんのかな・・・。


「はあ、」


ため息をついてもう何も視界に入れ
たくなくて俺は机に突っ伏した。視
界は真っ暗だけど音は聞こえる。田
島とアイツの声も。音楽聴いた方が
気が紛れると思ってカバンに手をか
けるとアイツが目の前にやって来て
にこりと笑い俺の心臓がうるさくなる。


「泉くん、」
「なに?」


呼ばれたことが嬉しかったけど
返事はそっけなく返してしまった。
こいつを見ると下を向きがら


「・・あの最近話してないなと思って」


そう言うとえへへ照れ笑った顔に
俺は撃沈して口元を素早くおさえた
可愛すぎだろ!!


「そうだな。で?」
「あ、え、えとそれだけなんだけど・・」
「・・・それだけ?」


それだけ言いに俺んとこ来たのか・・・
田島が貸してた漫画で顔を隠しつつ特に
用もないのに話かけたらだめ?と言った
コイツにさっきの仕草は照れていたんだ
とすぐに分った。用なくても話かけてこ
いよと笑うと顔を真っ赤にしてまた漫画
で顔を隠した。



期待


(その反応は俺を意識してる)
(ってことでいーんだよな?)

20080810.
加筆20120203.







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