「ララ、オールブルーって知ってるか？」

　昼休み。ご飯を食べたあと、甲板でサンジと寛いでいると、彼が言った。

「オールブルー？ わかんないなあ」

「全ての魚が、一つに集まる海のことなんだ！ おれはいつか見てみてェと思ってる」

　笑みを浮かべて言うサンジに、ララも自然と笑顔になる。

「サンジなら見れるよ！ その海。私も見てみたいなあ」

「ああ、いつか一緒に見れたらいいな……ララはなんか夢とかあるか？」

「私の夢はね……えーっと……」

　考えたことがない。それでも強いて言うのなら。

「夢というかね、願望なんだけど……」

「あァ」

「私の記憶が取り戻せたらいいなって思うよ」

　ゼフ達はよくしてくれるし、ここの生活にも馴染んだ。しかし、両親が生きていて、自分を探しているとしたら……いても立ってもいられない気持ちになる。
　サンジは真剣な顔で頷いた。

「……そうだな。記憶が戻るといいな」

「うん……！」

20171222
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