Short series | ナノ


▽ want to know more(ペンギン・裏)

「デートしないか」


ペンギンが唐突にそう声をかけたのは、潜水中のイヴの部屋の窓から見える魚を目で追う、イヴにだった。


「うーん、でーと……」


イヴが小さい魚の群れを目で追いかけては見えないどこかへ消えてしまった。


「でーと……」

「デート」

「でーと……二人で?」

「それは当然二人でだ」

「うん、良いんじゃないかな」


ぼうっと暗い水の流れを観察するイヴははっきりしない頭で答えた。


「何だか約束した事を忘れてそうな返事だなイヴ」


ペンギンがくしゃっとイヴの髪を乱すとイヴは、はたとペンギンの方を向いた。


「大丈夫だよ、二人で……でーと……でしょ」


徐々に聞き取りづらくなるイヴの声にペンギンは首を捻った。


「どうかしたか?」

「何か実感沸かなくて……ねえ……」



ペンギンがイヴの顔を見ると、頬がピンクに染まっていた。


「あー、すまん、ストレートに言い過ぎたか」

「そうだよー、急に言われると照れるの。しかもペンギンからだし」

「何だよそれ。他の奴には言うなよ。まあ次の島次第なところはあるが」

「ペンギン」

「何だ?先約でもあったか?」

「ううん、違うの。デート、楽しみにしてるね」

「おう」


ペンギンはイヴの唇に軽く自分の唇を触れさせると、イヴは嬉しそうに笑みを浮かべた。


「ところで」

「ん?」

「他の二人とはどうだ?」

「どうって?」

「夜の営み」

「ふ、ふつうに訊くんだね!?」


イヴは思ってもない質問に赤面で驚愕した。


「駄目か?」

「いや、まあ…………シャチはそこそこ空気呼んでくれるんだけど、ローさんはところ構わずって感じで……」

「船長もイヴが愛しくて仕方ないんだな」

「愛されてるのは嬉しいんだけどね……」

「嫌だったら嫌とはっきり言わないと分からんもんだぞ」

「嫌じゃないよ、私が望んだんだもん」

「そうか」

「……あのね、ペンギンが来る前、ちょうどペンギンの事考えてたの」

「おれを?」

「まだ……その……」

「その?」

「……ペンギンと、シて……ないなって」

「シたいのか?……おれとしてはデートの時にでもと考えてたが」

「そ、そうなんだね!ごめんね変なこと言っちゃって。でもね……」


イヴがペンギンをぎゅっと抱き締めた。


「ペンギンの事も知りたいの。あれから結構経つのに、まだじゃない?」

「そりゃおれはいつでもウェルカムだが……。何だか他の二人で大変そうだしおれは敷居が高いとか言われるしで尻込みしてしまってな」


ペンギンがイヴを抱き締め返すと、耳元で囁くように言った。


「……一応これでも勇気を持ってデートの誘いに来たんだ」

「嬉しいよ、だいすきペンギン」

「おれも大好きだ」


イヴは自分の耳が熱くなるのを感じた。二人は自然とキスを何度か交わした。


「もっともっとペンギンの事を知りたいの」

「……今が良いのか?」

「や、やっぱりデートの時にする?」

「いや、今がいい……んだろ?」


イヴが小さくこくこくと頷いた。


「何だかペンギンの事すきーって、もっともっと知りたいって、思って」

「可愛い奴だな。そう言って貰えると嬉しい」


ペンギンはイヴの顎を持ち上げると口付け、舌を入れた。


「んんっ、ふぅっ……」


イヴもそれを受け入れ舌を絡めた。
ペンギンは責めるようにイヴの口内を侵していく。


「おれは多少荒々しいがそれでも大丈夫か?」


イヴがまた小さく頷いた。


「本当に嫌だったら言えよな」

「うん」

「じゃあ早速下、舐めてくれるか」


ペンギンは繋ぎのジッパーを下げパンツを脱ぎ捨てると、躊躇もなく自分のモノを曝け出した。
イヴが膝を付いてペンギンのまだ固くなりきれていないモノを口に入れようとすると、ペンギンはイヴの頭を思い切り掴んで咥えさせた。


「んんっ!」


ペンギンはイヴの頭を動かし始めた。


「はぁっ、良いな、イヴの口の中」


イヴは強引さを感じながらもペンギンを気持ち良くさせようと舌を絡ませた。


「上手いなイヴ……っ」


どんどんと大きくなっていくペンギンのモノがイヴの喉元を突いた。


「うっ……!」

「大丈夫か」


ペンギンはモノを引き抜くと、抑えていたイヴの頭を解放した。


「う、うん。大丈夫だよ、続けて」

「いや、もう挿れたくてしょうがない」

「もう!?」

「ほら見ろ、もうこんなにでかくなってる」

「ほ、ほんとだね……おおきい……」


ペンギンはイヴをひょいと抱えてベッドに寝かせ、繋ぎを脱がせた。
みるみるうちに露になっていく身体にイヴは顔を赤らめた。
ペンギンはイヴの身体を組み敷いて大きくなったモノをあてがった。


「痛かったら言ってくれ、なあイヴ」

「ん?」

「好きだ」


ペンギンはそう言い終わると同時にモノをイヴの中に押し込んだ。


「……っ!あ……っ」

「きついけどいけそうだな。ちゃんと濡れてる」

「やぁっ……恥ずかしい……」

「恥ずかしい顔もエロい顔も今は俺だけに見せてくれ」


ペンギンの激しくなる腰の動きに合わせてイヴの声が大きく甘くなっていく。


「あ、あぁっ!やぁ……っ、ペンギン、はげし……っ」

「おれは愛しいと滅茶苦茶にしたくなるみたいだ……っ」

「や、やっ」

「嫌か?」


イヴは微かに首を否定の方向に動かした。


「じゃあ遠慮なく」

「ぁあっ、あぁ……っ!ペンギンっ、なんか、へんな感じ……っ」

「締まってきた……っ」


イヴの奥をずんと一度突けばイヴの腰がびくんと跳ねた。
イヴは初めての感覚に目を見開いた。


「な、に……っ、こんなのはじめて……っ!」

「はぁ……っ、イヴはイくのは初めてだったか」

「やぁっ、これ以上は、だめ……っ!」

「ああ、おれもイくぞ……っ!」


ペンギンは勢い良く自分のモノを抜くとイヴのお腹の上に自分の絶頂の証を放った。


「はぁっ、はぁっ……ペンギン……っ」

「はぁっ、イヴ……可愛いな」


ペンギンは愛おしそうにイヴの唇にキスをした。


ーーーー


「激しすぎだよペンギン……っ」
「嫌だったか?」
「ううん、またひとつペンギンの事を知れたよ。Sなんだね」
「まあ……そうだな」
「そんなペンギンもすきーって思っちゃった私はMなのかな?」
「そうかもなあ」
「あ、でも痛いのは嫌だよ?」
「痛くはしないようにする。優しいのじゃ物足りなかったら俺の所に来ると良い」
「ふふっ」
「何で笑うんだ?」
「皆が知らないペンギンの事を知れて嬉しいなーって」
「天使かよ……」


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