友達以上兄弟未満
「ねぇねぇ、橘くんって何であの4人と仲良くなったの?」
オレが聞かれたのは掃除のとき。
一瞬何を聞かれたのかわからなくてポカンとする。
「あー、わたしも聞きたいと思ってた」
「ね」
「なんかほら、クラス違ってもあの4人って一緒にいるし」
「4人のときってちょっと近づきにくいよね」
「独特の空気があるっていうか」
そこまで聞いてようやく理解した。
あの4人のことね。
「あぁ…昔ゆっきーとちょっと遊んだことがあってそれで…」
「そうだったんだ」
「よくあの中に入っていけるなって思ってた」
ふうん、と思う。
そんなの全然考えたこともなかったけど、言われてみればそうかも。
幼稚園から高校までってすごい付き合いだよね。
「あの4人っていつもどんなかんじなの?」
「えー?」
ゆっきーが要っちに絡んで、要っちが怒る。
春ちゃんがオロオロする。
ゆうたんは止めに入ったり入らなかったり。
なんていうか、気が合ってるわけじゃないし、四六時中一緒なわけでもないんだよね。
「(でも…)」
それでも、みんながそれぞれにみんなを大事に思ってるのは伝わる。
傍にいるのが当たり前、みたいな。
だから、敢えて言うとしたら。
「友達以上兄弟未満、ってかんじかな」
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4人の空気に千鶴くんがあっさり馴染んでしまって、周囲からはアイツすごいなって思われてるんじゃないかなって思います
2012.09.21
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