ヒロキ、ヒロキとノワキ(達)はうっとりと惚けるように思い思いに呟きます。
すると、ヒロキは怒ったような、照れたような、それでいて少し悲しそうななんとも複雑な表情で言いました。
「わりい」
その呼び方はやめてくれないか。
『ヒロキ』と優しく呼ばれていたあの声を思い出すから。
「あ、…はい」
「そうですよね」
しょんぼり、もじもじ。
「いきなり馴れ馴れしいですよね」
「俺たちより年上みたいですし」
「あ、じゃあ…」
「ヒロさん」
「ヒロさんって呼んじゃダメですかね?」
『いんじゃね?』
しょんぼりしていたと思ったら、いきなり一人会議を始めて勝手に決めだすノワキ達。
「あ、おい、何勝手に…って、ま、いっか」
すっかりそのペースに巻き込まれて、思わず了承してしまったヒロキでした。
「改めまして、これから宜しくお願いします」
「ああ、俺の方こそ世話になるな」
-------< この国のノワキは、ややこしい/続く>
(03.24up)